アレッサンドラ・ファッキネッティによる「トッズ」は、ジェットセッターのためのワードローブを披露した前回に続き、タイムレスでエフォートレスなスタイルを提案した。テーマは「オープンルームズ」。ファーストルックは耐水加工が施された、薄くなめされたレザーのコート。ハイネックから白いミンクがのぞく。ミンクはその後もネックウエアやアームウエアとして登場する重要な素材のひとつ。柄として重要なのは、まずチェック。白いロングコート、オフショルダーの紺の中綿ドレス、セーター、プルオーバーなどに大きなパターンが用いられ、エレガントなスタイルにマスキュリンでスポーティな要素を加えている。カーペットに使われたジオメトリック模様もコート、ポンチョ、ハンドバッグに登場。それぞれのカラーのレザーをはめ込んでこの模様をかたどっており、メイド・イン・イタリーの技術を感じさせる。前回同様「レザーをコットンのように使う」というのが根底にあり、レザーのボウタイブラウスやアシンメトリーのスカートも軽やかだ。
もちろん、レザーのクオリティの高さは、その光沢やランウェイでなびく薄さからもよくわかる。レザーのつばの広い帽子、ペプラムのようなレザーベルトの提案も斬新だ。今回もショーはPAC 現代美術で開催したが、このコレクションのためにカーペットをすべて張り替え、彼女のアトリエ同様に50?70年代のインテリアを揃えた。イタリアのライフスタイルを体現するため、というファッキネッティのこだわりが空間からもわかるコレクションだった。
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