ファッション

「スタージュエリー」から能登を支援するハートのジュエリー 横浜・元町と輪島の職人技が共鳴したメード・イン・ジャパン

スタージュエリー(STAR JEWELRY)」は12月21日、能登の復興を支援する数量限定ジュエリー“輪島 コネクト ウィズ ラブ”を発売する。同ブランドの定番の一つであるハートをモチーフにした“コネクト ウィズ ラブ”をベースにしたもので、ペンダントトップに輪島塗の職人が丁寧に漆を重ね塗りして仕上げたものだ。イエローゴールドには朱赤、シルバーには黒の漆がしっとりとした美しい本漆ならではの光沢感を放つ。漆は、経年により色味の鮮やかさが増すが、柔らかい布で手入れをすれば艶感もアップするという。

価格は朱漆ネックレスが4万9500円、黒漆ネックレスが2万7500円。全国店舗と公式ECで3月頃まで販売予定だ。

継承するべき「輪島塗」とメード・イン・ジャパンの精神

「スタージュエリー」は、横浜・元町の自社工房の熟練職人によるモノづくりにこだわってきた。能登半島地震を受けて、同ブランドは2月、日本を代表する伝統工芸である「輪島塗」の存続支援とメード・イン・ジャパンの伝統の継承を願って支援プロジェクトをスタート。漆塗りを施したジュエリーの企画および、“能登ヒバ”に“拭き漆(木目を生かした漆塗り)”を施したディスプレーツールを特注し、各店での展示や販売を通して能登の情報を発信して行くという。

協業した工房は「藤八屋」で1888年から続く輪島塗の塗師屋(ぬしや)。2007年の能登半島地震で当時の本店が全壊したが10年に再建した。今年の震災で本店が全焼し、数年後の再建を目指している。今回のコラボレーションの漆塗り作業やカタログ等の撮影は倒壊を免れた工房兼自宅で行われた。

元町と輪島の職人の知識・経験・想像力の結晶

今回のコラボは「スタージュエリー」のデザイナーが大学の漆芸科を専攻で、師事した輪島塗の権威である教授の紹介でスタート。コラボといっても、「スタージュエリー」で漆の知識があるのは、それを学んだデザイナー一人。「藤八屋」も貴金属と漆の組み合わせを手掛けるのは初めてで、何度も試作を繰り返したという。漆は気候によって状態が変わり、乾く時間もまちまち。自然相手の“待つ”時間が長い素材だ。その漆を塗る金属の表面は鏡面がいいのか、荒い表面がいいのか、いろいろなサンプルを作って制作を進めたという。また、ジュエリーは漆器に比べるとサイズが小さい。「藤八屋」は、道具をはじめ、いろいろな試行錯誤をしたそうだ。

「スタージュエリー」にとっても「藤八屋」にとっても初めての試みで、漆職人とジュエリーの職人が知識と経験と想像力を駆使して完成したのが“輪島 コネクト ウィズ ラブ”だ。被災地での作業は制限が多く、精神的にも仕事だけに集中できない状況で「藤八屋」は「最善を尽くす」という言葉通りに根気よく作業を進めたという。今、人気のハートモチーフのジュエリー。 “輪島 コネクト ウィズ ラブ”は、1年頑張った自分のご褒美として、また、被災地の職人へのエールにもなる心温まるジュエリーだ。

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