ブランドバッグの定額レンタルサービスを運営するラクサス・テクノロジーズ(広島市、高橋啓介社長)は13日、東証グロース市場に新規上場した。公開価格281円に対して初日の終値は377円だった。日本橋兜町の東京証券取引所で会見に臨んだ高橋社長は「マーケットから良い評価をいただけた」と話した。
06年に創業し、15年からブランドバッグの定額レンタルサービスを開始した。19年にワールドの傘下に入り、支援を受けて事業を成長させてきた。最も一般的なシングル契約だと、月額9800円(税別)で「ルイ・ヴィトン」「シャネル」「エルメス」といった高級ブランドの人気商品を交換し放題で借りられる。24年3月期業績は売上高22億円、営業利益4億7400万円。過去4年の年平均成長率は約19%だった。営業損益は23年3月期に黒字化して以降、順調に伸びている。
ラクサスの創業社長である児玉昇司氏は非常勤取締役に退き、22年6月から高橋氏が社長に就いた。高橋氏はローランドベルガー出身で、20年8月からワールドに転じて執行役員グループ企画本部長などの要職を歴任してきた。今回の上場に伴い、ワールドのラクサス株の保有割合は62.5%から44.3%になり、持ち分法適用会社に移行した。
上場で得た資金は、生命線であるブランドバッグの仕入れに充てる。高橋社長は「当社の事業は仕入れのキャッシュアウトが先行する。成長には資産を増やすことが欠かせない」と説明した。
ブランドバッグはコロナ前に比べて小売価格が大幅に上昇し、中古品の仕入れ価格もまた高騰した。これまで以上にブランドバッグを高嶺の花と感じる消費者も増えており、所有ではなくシェアリングを選択する傾向が強まった。ラクサスの場合は、首都圏に住む世帯収入が高い女性が多いという。高橋社長は「有料会員はまだ2万人程度。伸び代は大きい」と述べた。