2025年春夏シーズンのメンズスタイルは、酷暑と長い夏をいかにして乗り切るかが市場を攻略するカギである。6月の25年春夏メンズ・ファッション・ウイークでは、各ブランドが猛暑を見越した生地使いや、清涼感のある色柄使いを打ち出した。特に、高温多湿な日本をベースにするメンズデザイナーたちは、透けるほど極薄な素材感のテーラリングや、機能素材を用いたスポーティーなレイヤードで、酷暑と長すぎる夏を想定したスタイルを提案している。デザイナーたちが爽やかさとリラックス感を意識する中、メンズの大手セレクトやアパレル企業の32ブランドは、リアルな市場に向けてどのようなスタイルに勝機を見いだしているのだろうか。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月16日号からの抜粋です)
昨今、「1.5℃」というキーワードを複数のメディアが発信している。この「1.5℃」を掲げた運動は国連が21年に発足したもので、年々深刻化する地球温暖化を止めるために、産業革命以前の1850年と比べて、地球の平均気温の上昇を1.5℃に抑えようという世界共通の目標だ。上昇する気温に対して、ファッション産業を肯定するため、清涼感のあるスタイルで世間を豊かにするのも一つのアクションなのではないか――「WWDJAPAN」はそう考え、32ブランドに「-1.5℃」のテーマで、メンズスタイルを聞いた。各社の解釈は、清涼感のある色合わせや、実際に冷感のある機能素材、ウィメンズライクなシアー素材のメンズへの応用などさまざま。アイテムのバリエーションがウィメンズに比べて少ない分、メンズではスタイリング提案が重要になる。そこで、第一線で活躍するスタイリストの意見も交えながら、どのような着こなしがリアルな市場で受け入れられやすいのかも分析した。
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