12月2日(現地時間)にアメリカ・ニューヨークで行われた第34回ゴッサム・アワード(34th Annual Gotham Awards)を皮切りに、アワードシーズンが幕を開けた。3月にかけて行われる数ある授賞式の中でも最も注目度が高いのは、2025年1月5日(現地時間)に開催される第82回ゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)と、3月2日(現地時間)に開催される第97回アカデミー賞(The Academy Awards)だろう。
どちらもテレビで放映され、ロサンゼルスで開催されることから同列で語られることが多いが、実は似ているようで全く異なる性質を持っている。そこで本記事では、2つのアワードの違いをドレスコードやゲスト、選出方法の観点から解説していく。
ゴールデングローブ賞とオスカー賞の違いとは?
ゴールデン・グローブ賞は、優れた映画作品とテレビ作品を称えるために1944年に創設された授賞式。ジャンルや放映形態ごとに全27の受賞カテゴリーを設置している。一方、通称オスカー賞として知られるアカデミー賞は、映画産業の芸術・技術的な業績を称えることを目的に1929年に初めて開催された式典。シネマトグラフィーや音響デザイン、衣装デザインなどを含む全23の受賞カテゴリーを設置している。前者は毎年1月に、後者は毎年3月に開催されている。
選考方法
ゴールデン・グローブ賞は、85カ国から集まった300人以上のジャーナリスト団体、通称ゴールデングローブ財団(the Golden Globes Foundation)が、オスカー賞は俳優や脚本家、監督などを含む1万人以上のメンバーからなる映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、以下AMPAS)が受賞者を選出している。
開催場所
ゴールデン・グローブ賞は1961年からザ ビバリー ヒルトンホテル(Beverly Hilton hotel)で、オスカー賞は2002年からドルビー・シアター(Dolby Theater)で開催している。
ドレスコード
ゴールデン・グローブ賞は、ブラックのネクタイをドレスコードとして設けている。しかし、近年はその解釈の幅が広がっており、昨年は自己流のブラックタイファッションでレッドカーペットを楽しむ参加者が多く見られた。
オスカー賞は、元々白のネクタイをドレスコードとして定めていたが、俳優ガワー・チャンピオン(Gower Champion)が式典のプロデュースを始めた年から黒のネクタイへと変化。このドレスコードは今も存在しているものの、多くのゲストが自分のスタイルに合わせ、フロアレングスのドレスやタキシードなどを自由に着用している。さらにAMPASは、独自のサステナビリティ スタイルガイドを設けており、参加者にはビンテージやリサイクルアイテムを取り入れたルックを奨励している。
ゲスト
映画業界からノミネートされた俳優や製作陣などが参加するため、両アワードには同じ顔ぶれがそろうことが多い。
例えば昨年は、俳優のエマ・ストーン(Emma Stone)やマーゴット・ロビー(Margot Robbie)、キリアン・マーフィー(Cillian Murphy)が両セレモニーに参加し、マーフィーはゴールデン・グローブ賞で男優賞を、アカデミー賞で主演男優賞を受賞。ストーンは、ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞を、アカデミー賞で主演女優賞を受賞した。
ゴールデン・グローブ賞はそのカテゴリーの多様さからドラマクルーも毎年参加しており、昨年はドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」から俳優でテレビ作家のアイオウ・エディバリー(Ayo Edebiri)とジェレミー・アレン・ホワイト(Jeremy Allen White)が登場した。