「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」の2014-15年秋冬コレクションは、今からおよそ1000年前にシチリアを侵攻したノルマン王朝がインスピレーション源。ルッジェーロ�T世、フェデリコ�U世ら、ノルマン王朝時代のシチリアの国王をイメージし、スーツに王の紋章や騎士の甲冑、当時の建築をプリントしたり、コートやニットにスタッズや刺繍を加えたりで、きらびやかかつ逞しい太古の世界を再現。スーツをタイトフィットにして男性のセクシーさを、コートやニットを極端なボリュームシルエットにすることで彼らの力強さを描く「ドルチェ&ガッバーナ」らしい提案もイメージソースにピッタリで、ロマンティシズムと逞しさが同居した。
特に大迫力だったのは、シルエットはとてつもなく大きく、刺繍やスタッズは息を飲むほどのシープスキンのトップスだ。これは、奇しくも今シーズンのトレンドとして浮上しそうな、"ふんわり着る、ビッグボリュームのアウター"の「ドルチェ&ガッバーナ」らしい解釈。モコモコした触感で素朴な雰囲気を、王族のプリントや刺しゅう・スタッズで迫力を備えたアイテムは序盤から幾度となく登場し、カシミアを重ねた羽二重のスーツでフィナーレを迎えたコレクションに抑揚をつけた。