ファッション産業のミッションとも言える「より豊かなライフスタイルの提供」を続けるためには、根底にサステナビリティの考え方・実践を据えたビジネスモデルへの転換が欠かせない。目指すは「作って売って終わり」のリニヤ型から循環型ビジネスへのシフトだ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月30日&25年1月6日合併号からの抜粋です)
サステナビリティ
記者はこう見る
向千鶴/サステナビリティ・ディレクター
2024年、印象に残った取材
繊維産地取材。米沢、富士吉田、尾州、播州などで日本のモノ作りの秀逸さを改めて知った。週末の現地では自費で訪れているアパレルの若手に多く出会い、その熱量に希望を見た。
2025年はこんな取材がしたい
欧州サステナ規制を前に危機感が募る繊維産地×デザイナーズブランドの活路を見出すべく、産地×アパレル×行政×アカデミア×海外をつなぐ取材・アクションを起こしたい。
認証に未対応という理由から海外での販売ができない可能性も
ファッション×サステナビリティの3本柱は、「脱炭素」「ファッションロス削減」「人権デューディリジェンス」である。これらを推進するサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)はパンデミック後にいったんスローダウンしたが、2024年後半から再び盛り上がりを見せている。背景には、日本政府が24年8月に「第5次循環型社会形成推進基本計画」を閣議決定したことや、欧州・米国でサステナビリティ関連法案が次々と施行されて影響が出始めていること、さらに「人権」については生活者からの関心が高まっていること、またSXを支援するデジタルソリューションの登場などがあげられる。日本企業は変革の初動は遅くとも、閣議決定といった大枠決定後のギアチェンジは速い。25年はこれらの外的要因に背中を押されてSXに舵を切る企業が増えるだろう。サステナビリティに関する教育を受けてきたデジタルネイティブ・Z世代の最年長が20代後半となり、意思決定のポジションに就き始めていることもSX×DXを加速する一因だ。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。