国内アパレルの2024年は、“猛暑”がとりわけフォーカスされた1年だった。三陽商会が提唱して話題になった“五季”が象徴するように、業界全体が猛暑対策に本腰を上げた。実需傾向の強いボリュームゾーンのアパレルでは、気温変化に忠実なMDは生命線。各社は読めない気候にどう立ち向かい、何を学んだのか。
(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月30日&25年1月6日合併号からの抜粋です)
国内アパレル
記者はこう見る
本橋涼介/シニアエディター
2024年、印象に残った取材
ニューヨーク・ファッション・ウイークを初めて取材。海外ランウエイの熱量を肌で感じ、どういう取材・記事が国内アパレルの読者にも響く・役にたつのかを考えた。
2025年はこんな取材がしたい
国内外問わず、ガンバっている個人にフォーカスを当てたインタビュー記事に改めて力を注ぐ。ファッションシーンに華やかさとエネルギーが本格的に戻ってきている中、それを作り出す個人の熱量もまた重要になると確信。
三陽商会、ワールドは猛暑を経営課題に
春、夏、夏、秋、冬。三陽商会が提唱する“五季”とはつまり、長い夏を盛夏期(5〜7月)と猛暑期(8〜9月)の2つの季節と捉え、より精緻なMDを組むためのスローガンだ。旗振り役となった加藤郁郎副社長 兼 企画本部長は、「これまで真夏物は、実需期に近づいてからQRで継ぎ足していたため、企画を練り切れなかった。“五季”を合言葉に、改めて意識を高めたい」と話す。同社の8月の月次売上高は前年同月比1%増、9月は同2%減。結果は合格点とはいえないが、「ポール・スチュアート」のウオッシャブルウールのブラウス(4万6200円)とスカート(5万8300円)のセットアップや、「サンヨーコート」のショート丈トレンチコート(9万9000円)など、ブランドらしい猛暑・残暑対応商品が生まれた。きっと来年につながる糧になるだろう。
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