「ユニクロ(UNIQLO)」は、フリースの新しい可能性や2013年秋冬の全フリースウエアを取り扱うコンセプトストア「フリースワンダーランド(FLEECE WONDERLAND)」を11月1日から18日まで道玄坂店の1階にオープンする。オープン前日に行なわれた内覧会では、「ユニクロ」クリエイティブファッションディレクターのニコラ・フォルミケッティ(以下、ニコラ)と、「リトゥンアフターワーズ」デザイナーの山縣良和も登場した。
店内に入るとまず目を引くのは、山縣による巨大な「フリースアニマル」。"ファッションモンスター"をキーワードに、製作期間わずか1週間で、約170着のフリースを使って高さ2mのアートピースを作り上げた。クマ、キリン、ブタなど、さまざまな動物と色彩で表現した山縣らしい作品に仕上がっている。なお、ニコラと山縣による協業は、きゃりーぱみゅぱみゅが表紙となった英「デイズド&コンフューズド(Dazed and Confused)」の12月号以来となる。
また、アートピースだけでなく、空間すべてをフリースで表現。「壁面に使われたフリースは約100着分に相当する」とプレス担当者。そして、ニコラ自身も「大好き、大好き」と語るUFOキャッチャーやフォトブースなど、1998年に巻き起こした「ユニクロ」のフリースブームを体感していない、10?20代をメインターゲットにした遊び心溢れる空間だ。今回「ユニクロ」が若年層に強く打ち出したいと考えた理由は、インターネットで実施したアンケート結果によるところが大きい。30?50代のフリース購入経験者が54.6%に対し、10?20代は28.1%という結果から、若者が集いやすく、スペースも確保できる渋谷の道玄坂店に構える理由となった。
メンズとウィメンズの商品構成も、これまでの「部屋着」「ワンマイルウエア」など、一部のイメージを一新するデザインバリエーションを提案。注目は、黒一色で統一してモード感を演出した「アーバンフリース」。ウエストベルトに異素材を使ったボトムスなど、オシャレ着として外出できるようなデザインに仕上げた。また、もこもこトレンドを意識した、「フラッフィーフリース」なども今年ならではの特徴だ。
ポップアップストアやフリースに対する思いについてニコラにインタビューした。
ーーポップアップストアは、どんなコンセプト?
フリースは、エイジレス、タイムレスだからこそ 「フリースのルネッサンスをしよう」と考えた。
ーー今回のアートピースで、山縣良和を起用した理由は?
ニコラ:理由は2つある。一つは、彼みたいなインデペンデントな活動は、メジャーとコラボすることで、もっと知られるべきだと思っている。それは、僕たちがするべき使命だと感じていて、いつも柳井(正・ファーストリテイリング会長兼社長)さんと「若いクリエイターたちをサポートしよう」と話し合っている。彼らが消えてしまったら、ファッションはどんどんつまらない方向にいってしまうから。もう一つは、彼の才能。純粋にファッションとアートをハイレベルで融合できる力は、今回のプロジェクトにピッタリだと思った。
ーー巨大なアートピースやUFOキャッチャーがあるが、買い物だけでなく遊び感覚でも来てもらうための狙いか?
ニコラ:それは半分半分。ショップだから、単純にアートだけになりたくなかった。「ユニクロ」の世界観があった上で、アートピースを楽しんでもらって、フリース商品を触って、着てもらいたい。
ーーこういった企画は日本だけでなく海外でも発信していきたいか?
ニコラ:もちろん。海外では、まだまだフリースのイメージが古いから、世界に打ち出していきたい。
ーーニコラが気に入っている「ユニクロ」のフリースは?
ニコラ:青いボーダーが入った「バルキーフリースジャケット」。すごくカワイイし、カッコいい。僕は、いつも真っ黒な服を着てるけど、フリースは色がキレイに見える素材だから、色があるものが好き。
ーーフリースを着る上で、おすすめなスタイリングは?
ニコラ:フリースは、皆が持っている服と合わせやすいアイテムだから、気軽に着てほしいね。
■フリースワンダーランド
日程:2013年11月1?18日
場所:ユニクロ道玄坂店 1階
住所:東京都渋谷区道玄坂2-29-5 渋谷プライム内
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