リステア(RESTIR)は3月15日、それまで東京ミッドタウンにあった店舗を移転した。新たな場所は、そこから徒歩5分足らずの港区赤坂。しかしその雰囲気は、ランドマークの入り口で圧倒的な存在感と高級感を放つ、かつての店舗とは大きく異なっている。今なお地元住民が数多く居住する、閑静な住宅街だ。一方で、外観は、そんなエリアでは異彩を放つ不思議なブラックボックスのよう。果たしてリステアは、何を考え、店舗を移転したのか?その真相を清水博之リステアホールディングス取締役兼リステア・ジェネラルマネジャーと柴田麻衣子リステア・クリエイティブ・ディレクターに直撃すると、水面下で進行していた新事業の概要まで明らかになってきた。
ーー移転の理由は?
?7年が経ち、続けてきたプチ改装ではなく、大幅なリニューアルをしようと考えていた。そんなところにパーフェクトな物件が見つかった。改装するより移ったほうが面白いと思った。そもそも「RESTIR」とは「RE(再び、新たに)」と「STIR(かき乱す、動かす)」 の造語。同じところに留まるのではなく、進化していくことを意味している。
ーーまっ黒なファサードが印象的だが、ショップのコンセプトは??
"ブラックコンテナーボックス"。一見すると ミステリアス。けれど、中に入るといろんなコンテンツがある。お客さまにとって"特別"な空間が広がるお店。これまで以上にお客さまを絞り、顧客に喜ばれるセレクトショップになる。
ーー売り上げが下がるのでは?
顧客重視は本来あるべき姿。むしろ、売り上げは伸びると見込んでいる。これまで以上に"攻め" のバイイングをして、1人ひとりのお客さまのニーズに応えるのではなく、それを超えてびっくりさせる"これから"のスタイルを提案していく。
ーー迷路のような建物は、地上2階、地下1階の3層構造。各フロアの雰囲気が違うので面白い。
写真家の事務所兼スタジオを改装した。クリエイションが生まれた場所という特性を生かし、迷路のような建物の構造はそのままにしている。地下1階の メンズフロアはニューヨークのスタジオ、シューズフロア兼ポップアップストアのような機能を持つ1階は東京のギャラリー、2階のウィメンズフロアはパリのサロンをイメージした。特に2階のウィメンズフロアは、ラックの後ろに隠し扉があり、お客さまごとに特別なクローゼットを用意することもできる。毎週、テーマごとに商品を入れ替え、常に驚きのある店舗に進化する。
【インタビュー】フラッグシップの改装と、新事業に迫る!リステアの2大プロジェクト Part2