ファッション

第31回「毎日ファッション大賞」の授賞式が開催、高橋盾ら受賞者コメント掲載

 毎日新聞は29日、第31回「毎日ファッション大賞」の表彰式を行なった。今年の大賞は、川久保玲、三宅一生、山本耀司以来の複数回受賞となった「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のデザイナー高橋盾。新人賞・資生堂奨励賞は、「ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理。鯨岡阿美子賞は、パリコレにおける日本人写真家の地位向上に貢献したフォトグラファー大石一男と、ファッション週刊紙「WWDジャパン」「WWDビューティ」元編集長で3月に逝去した山室一幸。そして、話題賞は今年で50周年を迎えた東レ「シルック 50周年」。特別賞にイッセイミヤケのアクセサリーブランド「バオ バオ イッセイミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE)」と、文化・ファッションテキスタイル研究所の宮本英治が受賞した。受賞者に贈られる「毎日ファッション大賞・トロフィー」は吉岡徳仁がデザイン、鯨岡阿美子賞・賞牌は倉俣史朗がデザインした。

 表彰式後に行われた記念パーティーでは、「ファセッタズム(FACETASM)」が2014年春夏コレクションのプレゼンテーションを披露した。

以下、各受賞者の受賞コメント。 高橋盾/大賞
「毎日ファッション大賞、再び受賞出来て大変光栄に思っています。東北の震災後、自分自身を見つめ直し、二年のブランクを経て再びパリでの発表を再開しました。僕に与えられた使命はファッションを通じ人々を喜ばせる事、それに尽きると思っています」

落合宏理 /新人賞・資生堂奨励賞
 「この素晴らしい賞はいつの頃からか、私達にとって1つの目標であり、夢でした。この場をお借りしまして、工場さん、生地屋さん、パタンナーさん、ショップの皆様、お客様、ショー関係者の皆様、そしてスタッフ、家族、友人、私達の活動を支えて下さった全ての皆様方に心より感謝を申し上げます」

大石一男/鯨岡阿美子賞
 「『毎日ファッション大賞』鯨岡阿美子賞は、その存在を知った時から、いつか自分もこんな賞がもらえたらいいなと、ただ漠然と思ったことがありました。反面、自分にはこうした賞は無縁のものとも思っていましたので、いま現実に受賞の報せをうけ、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。1979年から2010年まで32年間、一度も休む事なく撮り続けたパリコレクション。思えば悲喜こもごもいろいろありますが、今、改めて続けてきて良かったと思っています」

故・山室一幸(代理:山室恵美子)/鯨岡阿美子賞
 「このたびは夫、山室一幸に対し、毎日ファッション大賞鯨岡阿美子賞という素晴らしい賞をいただき、まことにありがとうございました。この賞の選考委員だった夫は、自分がまさか受賞することになるとは、考えていなかったと思います。一方で、選考委員だったからこそ、この受賞の重みを夫は理解していると思います。天国で夫はこの受賞をとても喜んでいるはずです。ファッションに携わる全ての皆様のご活躍をお祈り申し上げます」

東レ「シルック 50周年」/ 話題賞
 「シルキーポリエステル素材『シルック』は、1963年に開発、1964年に発売されて以来、和装・洋装の両分野においてお客様にご愛顧いただき、50周年を迎えることができました。長年ご愛顧いただいてきたお客様はもちろん、高い技術力をもった日本の産地企業の皆様との、素材開発、生産におけるパートナーシップに長年支えていただいた成果であり、心より感謝申し上げます」

バオ バオ イッセイミヤケ/特別賞
 「2000年に『PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE』の中で、現在のバッグの前身となるシリーズが誕生して以来、生産から販売に至るまで継続性のあるシステムの構築に力を注いできました。 10年に単独ブランドとして独立してからは、『今、自分たちが持ちたいバッグ』という原点に立ち返り、常に使い手の視点からのものづくりを心がけています。この思いを共有してくださる人の輪が広がっていると感じています。 これからも日本から発信するBAO BAO ISSEY MIYAKEのものづくりに共感して頂けるよう、世界中の一人でも多くの方々が楽しく使えるプロダクトの開発に努めていきたいと考えております」

宮本英治/特別賞
 「着物地から服地へと舵を切ってから、あっという間の30年。多くのデザイナーの皆様やファッション業界の方々に支えられながらの布創りは、常に充実した時を過ごさせてくれました。八王子をはじめ多くの産地の職人の方々には、一生懸命布創りに協力して頂き、社内のスタッフは寝る間も惜しんで頑張ってくれました。そして、今年からは活動の場を新たに文化・ファッションテキスタイル研究所に移させて頂きました。業界での活動の一区切りと、研究所という次のスタート台に立った今、栄えある賞を頂いたこと。それは30年間の感謝を、『教育と研究を通じてファッション・繊維業界に寄与することによって表せ』との天命と強く感じています」

■第31回毎日ファッション大賞受賞者リスト
大賞: 高橋盾(UNDER COVER)
新人賞・資生堂奨励賞:落合宏理(FACETASM)
鯨岡阿美子賞:大石一男(フォトグラファー)
鯨岡阿美子賞:故・山室一幸(ファッションジャーナリスト)
話題賞:東レ「シルック 50周年」
特別賞:BAO BAO ISSEY MIYAKE
特別賞:宮本英治(文化・ファッションテキスタイル研究所所長/みやしん元代表)

選考委員:伊吹英明(経済産業省 商務情報政策局 クリエイティブ産業課長(併)クール・ジャパン海外戦略室長(併)ファッション政策室長)、太田伸之(一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構理事)、岡元美也子(資生堂ビューティートップスペシャリスト、ヘア&メーキャップアーティスト)、片岡朋子(「装苑」編集長)、清水早苗(ファッションジャーナリスト)、都築千佳(「WWDジャパン」編集長・「WWDビューティ」編集長)、原由美子(ファッションディレクター)、渡辺三津子(「VOGUE JAPAN」編集長)、伊藤芳明(毎日新聞社専務取締役主筆)、西川恵(毎日新聞社外信部専門編集委員)

推薦委員:大石一男(フォトグラファー、SUNデザイン研究所)、小笠原拓郎(繊研新聞 編集局 本社編集部 記者)、織田晃(ファッションジャーナリスト)、尾原蓉子(日本FIT会 会長)、関直子(エディター)、関本美弥子(松屋ファッションディレクター)、高田喜代彦(三越伊勢丹研究所ディレクター)、坪田由美(��島屋 営業本部 ライフデザインオフィス 婦人担当 ファッションディレクター)、西谷真理子(京都精華大学ポピュラーカルチャー学部ファッションコース特任教授)、久田明生(大丸松坂屋百貨店 本社 営業本部 MD戦略推進室 MD開発室 室長)、平山景子(ファッションディレクター)、松井智則(アッシュ・ペー・フランス PR01.エグゼクティブディレクター)、南馬越一義(BEAMS創造研究所本部長シニアクリエイティブディレクター)、向千鶴(「WWDジャパン」ファッションディレクター・「WWDジャパンモバイル」編集長)、麥田俊一(「QUOTATION」ファッションディレクター)

*肩書きは選考時

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