西武渋谷店は21日、8年ぶりの改装を経てA館3階・5階のウィメンズフロアと、B館5階のメンズフロアをリニューアルオープンした。"アート&デザイン"をテーマに、フロアデザインにアーティストやデザイナー、建築家を起用。エンターテインメント性の高い売り場に生まれ変わった。
A館3階の自主編集売り場「キートゥースタイル」は30代女性をターゲットに、コンテンポラリーブランドや次世代デザイナーなどの服をそろえる。環境デザインには、佐藤オオキを起用。"遊園地"をテーマに、ジグザグ柄の床、水色の天井、サーカス小屋風の什器など、明るい迷路のような空間に仕上げた。「アンリアレイジ」「パブリック スクール」「フッド・バイ・エアー」などを取り扱う。
A館5階の「モードプラス」は、"エシカルな消費スタイルで意識の高い50代オトナ"に向けた売り場。建築家の永山祐子が"宮殿"をテーマに、エレガントな内装に仕上げた。シルバーのカーテンで区切られた中に、日本ブランドの「マローブ」や「ミカコ ナカムラ」が提案するドレス、イタリアのニットブランド「ロレーナ アントニアッツィ」などを展開する。
B館5階のメンズフロアは、"ヨーロッパの博物館"をテーマに永山祐子が手掛けた。随所に購入可能なアートが置かれ、大人の男性のカジュアルウエアやこだわりの仕事道具までがそろう。オープニングでは、カーデザイン「ピニンファリーナ」のデザイングッズを集積した日本初のポップアップショップも展開する。
また、A館1階の入り口の柱4本には音楽・映像アーティストのカールステン・ニコライを起用し映像アートを設置。人の動き、エリアの気温、月からのパルスを取り込むことで毎秒変化する"一期一会"の映像を流し続ける。A館7階では、オランダ出身のデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペン展を9月6日まで開催する。
今回の改装は2020年以降に予定される渋谷のエリア再開発への参画に向けた一つのステップだという。「ファッションも情報も、渋谷は東京の中で一番進んだエリアであり続けるだろう。その中で、西武渋谷店は感度の高い大人に驚きを提供する店でありたいと考え、売り場の機能ではなく"楽しくくつろげるか"を基準に検証を重ねた」と篁(たかむら)富夫・西武渋谷店店長。