豊富な買い物経験とオタク気質を発揮し、意志のある店に 【プラージュ/ル ドーム(ベイクルーズグループ)】
?
?「タレント業よりも時間を割き、どっぷりと服の世界に浸っている」と楽しげに話すのが、セレクトショップ「プラージュ」(フランス語で浜辺の意味)のコンセプターを務める辺見えみりだ。まるで社員のように、コンセプトを提案し、買い付けに行き、3割を占めるオリジナル商品を企画し、内装や陳列についても細かく意見を出すなどして細部にまで自分の意志やこだわりを反映したセレクトショップを作り上げた。ベイクルーズがもともと好きで、よく買い物をしていたり、コラボ商品を作った経験もあった。親しい友人を通じて店を持ちたいとオファーをし、しばらくした後、ゴーサインが出た。そこからは「スケッチブックにブランドキャラクターのプラージュちゃんのストーリーを書いたり、雑誌の切り抜きを貼って理想とする女性のイメージや、やりたいことを伝えることに徹した。ここをしっかりとやったからこそ、世界観を創ることができたと思う」と語る。旅好きで、家の中には、よく行くLAとパリのテイストのものや、日本の技術が感じられる皿やメガネ、バッグなどを一緒に置いているけれど、違和感がなくて、むしろ心地が良い。そんな旅の思い出を総まとめにして、理想の家を店にした形だ。ちなみに、29歳という年齢設定は、「私自身、一番悩んだ時期だったし、多くの女性が人生の狭間で転機を迎えることも多いと思ったから」だ。 ??
?
?
? ? ? ??
?
?? 今でこそオシャレな女性タレントランキング上位の常連だが、何を着ていいのかわからなかった時期もある。「10代の終わり頃は、痩せて見えればいいと、黒のパンツなどばかりはいて冒険していなかった。でも、勉強しなければと思って、自ら動いて『JJ』の編集長に会いに行き、連載を持たせてもらいたいとお願いした。そこから、スタイリストやブランドの方々に会うことが増え、ファッションを勉強させてもらった。衣装は買い取りせず、服も家具も雑貨も自分で買い物に行き、好きなものだけでなく、幅広いものを見るようにした。そこから、好きなものが決まっていった」。しかも、オタク気質があり、店で扱う食器などは雑誌で一目惚れし、窯を見に行く企画を番組で実現させたこともあるほどだ。昨秋にはパリ、ラスベガス、LA、NY など世界の主要展示会や気になるショールームを回ったり、内装のイメージになる色や素材など気になるものを撮影するなど精力的に動いた。「商品や価格帯はもちろん、モノの配置や家具、ガラス瓶一つまでこだわった。譲れないことだらけだったけれども、ビジネス的にできない点については、どうやったら理想に近づき納得できるものになるか、発想を変えたり、工夫をした」という。
?
?? 自らの店頭での豊富な買い物経験から、リアルに買いたいと思える価格設定にも力を入れた。雑誌やテレビなどメディアからも注目され露出が増えているが、ブログで情報発信をしたり、ツイッターで自らファンの質問に応えるなど、憧れと親近感のバランスも良い。7月に出産予定だが、「私というよりも、プラージュちゃんがどんな風に生きていくのかによって品揃えも変わってくると思う。幸い、ビジネス的にも好調だと聞くが、自分がいいと思ったものを欲しいと思ってもらえたことが素直にうれしい。逆に品不足で申し訳ないくらい。今後も、いかに好きになってもらえるかを考えながら、店を続けていくことが課題」だ。
?