ショーで発表するシューズやバッグ、素材のデリバリー遅延を理由に延期した「マーク ジェイコブス」のショーが14日、いつもの会場であるレキシントン・アヴェニューで行なわれた。会場で待ち構えていたのは、巨大な丸いランウェイと太陽をイメージしたような巨大な丸いオレンジ色のライト。オレンジの強い光に照らされ、全員黒髪のショートヘアで揃えたモデルたちが円を描くようにランウェイに登場した。
ファーストルックは、黒のパイピングを施したマットな光沢感のあるパジャマライクなシャツに、同素材を使った少しゆとりのある膝下丈のスカートだ。これに続き、ショート丈のコートとハイウエストのマイクロパンツで大胆に脚を強調したり、シルクサテンのロングドレスにボリュームファーを合わせたり、パワフルさを感じながらも、チェーン付きのツイードバッグを抱えて持ったり、トップレスでマイクロパンツのみ合わせたり、グラマラスでありながらもどこか女性らしい弱みや抜け感を感じた。徐々に、メタリック感のある素材やシルクサテン、スパンコールの装飾など、煌びやかで力強いラインアップに。光沢の強いシルクロングドレスには、胸下までのショート丈ファージャケットで存在感を強めた。コートは、袖を少しフレアに仕上げたAラインやオーバーサイズ、襟付きファーコートなどが揃う。
BACKSTAGE
ショーで使用するサンプル到着の遅れを理由に、スケジュールを急遽変更してショーを行なった「マーク ジェイコブス」。会場変更こそ免れたものの、バックステージでは独特の緊張感が漂い、アーティストの集中力を高めるために、フランソワの撮影制限、グイドのインタビュー中止などのメディア規制が徹底して行なわれた。
その中でもインタビューに応じたフランソワは、インスピレーションソースとして2人の女性の名前を挙げた。80年代に活躍した黒髪のロック歌手、ジョーン・ジェットと、60年代に登場したベイビーフェイスと可憐な歌声で人気を博した英歌手のマリアンヌ・フェイスフルだ。2人のパンクとシックな要素を融合したというメイクは、白と黒のスモーキーアイ、作り込んだマッドな肌、ヌーディーなリップで表現。また会場演出のための強いオレンジの光を受けると、全てがまるで白黒写真のように見えることもメイクのヒントになったという。ヘアはジョーン・ジェットのシンボルである黒髪シャギーカットのフルウイッグを使用。グイドが全てのウイッグを調整するため、かみそりを片手にバックステージを走り回った。
BRAND:マーク ジェイコブス
MAKE-UP:フランソワ・ナーズ
HAIR:グイド・パラウ