オンワードグローバルファッションは4月25日、東京・南青山5丁目の「ジル・サンダーネイビー」跡地に「ソニア リキエル」青山店をオープンした。地上2層構成で、売り場面積は165平方メートル。壁全面を赤く塗った内装と、壁に取り付けられた本棚に並ぶ約1万6000冊の洋書が特徴だ。この内装は、2015年春夏からクリエイティブ・ディレクターを務めるジュリー・ドゥ・リブランによるコンセプト。パリおよびロンドンの店舗と共通のもので、パリ・サンジェルマンの文化人が集まるサロンをイメージしたものだ。店内には、「ソニア リキエル」のプレおよびメーンコレクションがそろう。
「ソニア リキエル」は2012年にファーストヘリテージブランズ傘下に入り、新クリエイティブ・ディレクターの起用など、リブランディングを開始。アイテムの上質化とともに価格帯を引き上げた。ニットやベロアを得意とするブランドだったが、布帛のウエアやアクセサリーも増え、アイテムの幅を広げている。「現在は雑貨の売り上げが全体の15%程度だが、今後30%への引き上げを目指す」と石田博オンワードグローバルファッション社長。「青山店には、昨年10月に閉店した銀座店のスタッフを入れており、顧客の呼び戻しをしている。また、従来の顧客である60?70歳代に加えて、青山に来るファッション感度の高い40〜50歳代の層に期待している。今後は、この年代をメーンターゲットにしていく」と語る。
同社は、銀座店の閉店など、「ソニアリキエル」店舗のスクラップ&ビルド計画を進めている。現在は全国に24店舗を構えるが、今後は地方郊外店を中心に、8月までに5店舗、来年1月までにさらに2店舗を閉店する。出店計画としては、今冬に銀座店を新たにオープンする予定だ。「まずは路面店でイメージを確立し、その後新生『ソニア リキエル』とマッチングするゾーニングをもつ百貨店に売り込み、都市型ブランドへのリブランディングを図る」と石田社長。なお、銀座店は、青山店とは全く異なるコンセプトの内装になる予定だ。
14年春夏から日本で販売しているディフュージョンライン「ソニア バイ ソニア リキエル」は卸の他、4月に大阪駅にオープンしたルクアイーレにも出店。また、オンワード樫山が手掛けるリプロダクションライン「ソニア リキエル コレクション」は、全国の約60店舗で販売している。
なお4月10日に南青山にオープンしたセレクトショップの「ペンデュール ヴィア バス ストップ」は、当初の予測に近い額を売り上げている。今後もポップアップショップ導入などの施策を行う他、併設するレストラン「エンボカ」の集客強化などで売り上げ増を狙う。