舞台は架空のエアポート。会場のパレ・ド・トーキョーには巨大な到着ゲートや荷物受取所のベルトコンベアー、ベンチなど、空港の様子が細部にわたって表現された。「人間観察が趣味」というデザイナーのアレクサンドル・マテュッシ(写真中央)は、詳細な場面設定にこだわり、本当にその場にいそうなリアルクローズを打ち出す。今シーズンは、さまざまな人が行き交う空港をテーマに、ドレスとカジュアルを交差させたフレンチ・トラッドを提案した。
たとえば、ビジネスの出張を終え、一息ついたサラリーマンのジレとタイ、デニムのスタイル。仕事を終えた後に脱いだジャケットは腰に巻いて、リラックスを漂わせる。ネイビーのケーブルニットにプレーンな白シャツ、デニム、大きなバックパックを背負い、長旅に出る青年。スケートを小脇に抱えた、トロピカルプリントのボンバースジャケット、ショーツ、スニーカー姿のストリートカジュアルも。
今季は、ヴィンテージのアメトラを感じさせるボールドカラーのカレッジストライプ、そしてミリタリーのカモフラージュ柄をミックス。モチーフ使いで、ベーシックなトラッドをこなれた印象にまとめた。