強いパターンを組み合わせ、黒いドレスを制作。今までにないダークでソリッドなコレクションを発表した「ミントデザインズ」。色柄が豊富でポップなアイテムというイメージを払拭し「色を限定しながら、自分へのプレッシャーをかけた。緊張感のある表現を行なうことは新たな試み」とデザイナーの八木奈央。1年前にブランド設立10周年を迎え、今回は新たなステージの幕開けを思わせるダークなコレクション。テーマは「THE DARKSIDE ISSUE」。直訳すると裏面。「ミントデザインズ」の裏面は、不確実性なパターンや強い織り表現で、さながら静かな狂気といったところだ。
また、桐生で生産したこの生地は、5年後には作れなくなるかもしれない代物。市場でなくなりつつあるチンツ加工の生地は「生産背景の裏側でもある。淘汰されていく日本生産の意義を浮かび上がらせた」とデザイナーの勝井北斗。また、ロング丈のドレスが多くなり、ハイヒールを合わせるなど、大人層を意識した内容だった点も注目したい。軽いプリントも少なくなり、生地は織りが中心だ。黒いランウェイに黒い椅子、無数の照明設備を天井にぶら下げたショー会場は、圧迫され不気味ですらある。強いパターンとパターンをぶつけて、最後は想定しない柄表現にたどり着いたという。