黒いシャツとショーツでスタートしたショーは、徐々に不良カルチャーに浸食されていく。菊の紋章を腕に入れた特攻服や、ドラゴンのゴールド刺繍を縫い込んだパンツなど、暴走族やヤンキーを想起させるウエアが並んだ。さらしを模したのだろうか、布を腹に巻くようなインナーもある。テーマは「DEFECTIVE(不完全な美)」。若さゆえの不完全なマインドを、モードなコレクションで表現している。一方、素材はラグジュアリー感があった。スカジャンや法被(はっぴ)のようなアウターを始め、タック使いでボンタンのようなパンツも、不良のモチーフとは対照的に品の良い光沢を放っている。基本となるモノトーンの配色にゴールドを差し込んだ提案は、不良カルチャーを代表するカラーリング。いささか食傷気味の"サブカルチャー""クールジャパン"といった範疇では語れない独特のウエアが特徴だ。一見、奇をてらったテーマにも思うが、リアル感のあるブルゾンやトレンチコートも発表し、メンズの品番数が増えている。
フィナーレには、シークレットゲストとしてハードロックバンド「KISS」のメンバーが登場。ギターのポール・スタンレーが、東京でのファッションショーに出演を希望し、同ブランドに白羽の矢が立った。KISSは、世界で唯一認めているアーティストがレディー・ガガということで、ガガに衣装提供している同ブランドのショーへ出ることに。ポール・スタンレーは、ゴールドの特攻服を着てランウェイに現れた。
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