初となる単独ショーを発表した「ファセッタズム(FACETASM)」。いつもよりレイヤードやカラーは控えめに、大人っぽい印象のショーを発表した。特にテーマは決めず、街で着たいファッションを突き詰めたというコレクションは、スリットが深く入ったピンストライプのひざ丈スカートの下に、細かなフリルのスカートを合わせウィメンズアイテムや、スポーティなソックスと合わせたメンズのプリーツスカートなどクロスジェンダーな印象だ。ショートカットに太いアイブロウのウィメンズモデルや三つ編みのメンズモデルらが登場し、クロスジェンダーな雰囲気を際立たせた。さらに、、"街"や"ジャンク"を象徴するハンバーガーやフライドポテトモチーフのネックレスやブレスレットなど、ユニークなアクセサリーも打ち出した。
キーアイテムは、メンズがつけるエプロンのレイヤードスタイル。ロールアップしたデニムパンツやマウンテンパーカにワーク風のエプロンをつける、新鮮なコーディネートを提案した。デザイナーの落合宏理は、「男性が考える女性の気持ちやワークスタイルが持つ、男性特有のセクシーさをコレクションに盛り込んだ。一見クロスジェンダーなコレクションに見えるけれど、オーガンジーを用いたMA-1ジャケットなどは、実際に男性が着るのは難しいアイテム。完全には性別を超えていない」とポイントを語る。さらに「ランウェイでショーを発表することに憧れていたので、2012年春夏に『ヴァーサス トーキョー』に初参加した。その気持ちを次世代に伝えたいので、これからもショーは継続したい」と続けた。