現在、女性芸能人が手掛けるブランドは、ショップ形態で増えている。大手企業と組みながら、プロデュースやディレクションを進める一方、セレクトショップという形で路面店を開設するケースも増加。その話題性も手伝い、多くの女性消費者を集客している。一色は、「以前のタレントブランドと違い、今の販売スタイルは、大きく変化した印象があります。企業と組むのはとても良い選択肢だと思いますが、私の場合は、ちょっとビジネスの感覚が違うんです(笑)」と語る。ディレクター本人が着たいと思う服、さらに等身大のクリエイションを発表することに重点を置き、消費を煽るような盛大なプロモーションには抵抗感がある。
一色は、米国・ロサンゼルスに移住後、シーズン毎に出会った縁を大切にしてきたという。そこから導き出した答えは、現在のライフスタイルを重視すると言うことだった。「結婚、出産を経験し、作る服も少しずつ変わってきました。洗濯しやすい素材を採用したり、30代女性の体のラインを意識した服であったり。等身大のライフスタイルは、やっぱり重要でした」。最後に「14年春夏シーズンは、価格設定が難しかったですね。素材価格や工賃は上昇していますが、(前年の春夏と比較し)価格は据え置きました。ここまで"等身大"と言ってきましたが、商品自体はオリジナルの生地やパターンを使い、こだわっています。価格は上げたいですが、やっぱり着てほしいから、そこは我慢しました(笑)」。しがらみのない中で、今後も幅広い女性に訴求していく考えだ。
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