「プチバトー(PETIT BATEAU)」は、2013年度のイエール国際モード&写真フェスティバル(以下、イエール)の優勝者であるフィンランド人デザイナー、サトゥ・マーラネンとのコラボレーションでカプセルコレクションを発売する。6歳からアートを学び始め、大学でもアートを専攻後ファッションデザインに転向したマーラネンが得意とするのは、グラフィカルなプリント。白地にヴィヴィッドな赤と青のグラフィックをのせたベビー、キッズ、ウィメンズウエアの全7型を用意する。「プチバトー」とイエールの3年間にわたるパートナーシップにより制作された同コレクションは、世界7ヵ国のプチバトー直営店で販売予定。日本では直営店とオンラインブティックで5月2日に発売する。大学の卒業コレクションでイエールを勝ち抜き、大きなチャンスを得たマーラネンに話を聞いた。
------今回のコレクションのインスピレーション源は?
「プチバトー」のアイコニックなマリンボーダーをより抽象的かつモダンに解釈した。インスピレーション源はキャンディーケイン(杖型の飴)と歯磨き粉。お菓子を食べたら、みんな歯を磨くでしょ?(笑)あまり深く考えず、楽しい子どもの世界をイメージした。
------1番のこだわった点は??
アートをずっと勉強していたこともあって、1番のこだわりはグラフィック。手描きのグラフィックをスキャンして、プリントすることで、温もりのある手作り感を表現している。
------初めてキッズウエアを制作した感想は?
子どもが着るということで、動きやすさなどの実用性と着心地をいつも以上に考える必要があった。脱ぎ着が楽というのも大事なポイント。それらをふまえてデザインするというのが新鮮な経験だった。また、ヴィジュアル撮影の時に楽しそうに動き回る子どもを見て、作ってよかったと実感した。
------イエール国際モード&写真フェスティバルで優勝して、環境はどのように変わったか?
優勝する前と比べたら、180度変わった。誰も私のことを知らなかったのに、今ではファッションウィーク中にパリの街を歩いていたら、声をかけられたり、おめでとうと言われたり。急に有名人になったみたいでビックリした。また、4月末に発表するデビューコレクションの制作に関して支援を得ているのも大きい。例えば、プルミエール・ヴィジョンに出展されている生地の中から好きなものを選んだり、インドの刺繍やイタリアのデジタルプリントなど高い技術を用いたりすることができる。もちろん、今回のコラボレーションもね。自分のブランドのコレクションもまだ発表していない私がこんなチャンスをもらえたことに感謝している。 自分の作ったアイテムが世界中の『プチバトー』のショップのウィンドーを飾るなんて夢みたい。
------今後の展望は?
まだ自分のブランドをスタートしたばかり。自分の美学を追求していきたい。今後、自分のブランドをずっと続けていくか、フリーランスのデザイナーとして仕事をするかはわからないが、デザインの仕事を続けていくことは確か。また、コラボレーションの機会があれば、積極的に行なっていきたい。