2014年2月から「バリー」のデザイン・ディレクターを務めているパブロ・コッポラが来日した。彼の就任以来、よりモダンに生まれ変わった印象だが、「特別意識をした訳ではなく、地道なチームワークを重ね、自然に作り上げられたものだ」とコッポラ。「常に意識しているのは、"何がリアルか?"ということ。雑誌に掲載されることではなく、店頭に並んだときにどう見えるか、実際にどんな男性や女性が欲しいと思うかということを第一に考えている」。
「バーバリー」や「セリーヌ」「トム フォード」などで10年以上、バッグやシューズなどアクセサリー・デザインを手掛けてきたコッポラだが、ウエアをはじめ、キャンペーンや店舗などブランド全体を監修するのはこれが初めて。「新しいチャレンジばかりだが、アプローチの仕方などトム・フォードから学んだことが生かされている。デザインチームに学生時代や前職からの信頼できる友人がいることも大きな支えだ。ビジネスの核は変わらずシューズとバッグだが、ウエアを本格的に始めたことでコレクションに厚みが増し、そのストーリーやムードを伝えやすくなった。まだ15ルックと小規模だが、今後徐々にスタイルを増やしていきたい。また、スカーフやアイウエアにも注力し、アイテムの幅を広げたい」と話す。現在、建築家のデイヴィッド・チッパーフィールドによる新コンセプトを採用したショップの出店を進めており、すでにオープしたロンドンに続き、ロサンゼルスと東京にも開く予定だ。