戦略ブランドとも言える「メレム」のデビューシーズンは、トータル300型以上を打ち出し、全体の3割以上が服飾雑貨になる予定だ。雑貨はオリジナルで揃えるほか、セレクト商材を並べることで、新鮮な“ミックス感”を店頭で演出する。
肝心のクリエイションを見ると、20代後半女性が好む、等身大のアイテムが特徴になっていた。いわゆる、ライフスタイルに根差した商品で、仕事着からウィークエンドカジュアルまでを揃えながら、新規顧客を開拓するのが狙い。
中心価格はジャケット2万3000円、ワンピース1万6000円、ブラウス1万3000円、カーディガン1万2000円など、全体的に抑え目。しかし、客単価は1万5000円を想定しており、決して安くない。セット販売の強化や手に取りやすいアクセサリーが拡充される見込みで、こうした販売上の演出は、ルミネやアトレといった駅ビル系の販路を考慮したもの。先鋭的なデザイナーの考えやコンセプトを一方的に伝えるのではなく、消費者の嗜好やマーケットの動向を敏感に掴もうとしていることがわかる。