かつて多くのセレブや著名人が足しげく通ったパリのナイトクラブで、3月にホテルとして復活した「レ バン」が6月24日、コンセプトストア「ラ ブティック デ バン」をオープンする。同ストアには「ピエール アルディ」「オフィシン ジェネラール」「ル グラム」「ロビンソン レ バン」などのブランドの限定アイテムがそろう。「ピエール アルディ」はスニーカー、ポーチ、トイレトリーバッグを制作し、6月24日、パリ・メンズ・コレクションで披露される。
ナイトクラブ「レ バン ドゥーシュ」は2011年に改築のために閉店し、4年を経て39の客室、レストラン、クラブが入ったホテル「レ バン」として3月24日パリのブール・ラベ通りにオープンした。改築費用1300万ユーロ(約18億700万円)を掛け、本来の姿を損なわないように外壁は従来のまま残した。かつて水タンクだったものをプライベートダイニングエリアに改造し、プールはサウナを併設してスパとして生まれ変わった。エルメスのブティックを手掛ける建築家のデニス・モンテルがレストランを設計し、ピエール・マヨー「オフィシン ジェネラール」デザイナーがスタッフの制服をデザイン、さらに「ル ラボ」がアメニティーをプロデュースした。客室はトリスタン・オエが手掛け、宿泊費は一泊490〜1800ユーロ(約6万8100〜約25万200円)。
1885年に高級浴場としてスタートした当時は作家のマルセル・プルーストも常連客だった。その後クラブに改造して78年にオープンし、80~90年にはアンディ・ウォーホールやグレイス・ジョーンズ、デヴィッド・ボウイ、ミック・ジャガーといった豪華な顔ぶれが度々登場した。プリンスもここで即席コンサートを開催しており、90年代後半にはデヴィッド・ゲッタが専属DJとして活躍した。
ファッション業界でも人気で、ニコラ・ジェスキエールやラフ・シモンズ、リカルド・ティッシはオープンしてからすでに訪れているという。「ディオール」や「トミー ヒルフィガー」「ジバンシー」もここでパーティーを開催している。