■クリスチャン・ルブタン 独占インタビュー
�@: "デザインフィロソフィー?特にないけど、常に熱心でハッピーでいることかな"
�A: "履いた時に美しくなければ採用しない。自分のデザインよりも女性への敬意を尊重している"
WWD ジャパン(以下、WWD):今年20周年を迎えたが、今後は?
クリスチャン・ルブタン(以下、CL):まったくわかりません。今まで通り自分らしく進むだけ。常に、一つ一つを達成していくようにしている。ブランド立ち上げから20年が経った今、やっとその間に起こったことを表現できる。でも、当初は先のことをまったくイメージできなかったし、何が起こるのかはわからなかった。
ただ言えることは、私は何も変わらないということ。私は古代エジプト文明が大好きで、その一番の理由は、必ずカオスに対する恐怖と苦悶がつきまとっているから。エジプト人はたびたびカオスのことを話題にしますが、古代エジプト時代の建築はほぼ完璧。ピラミッドやスフィンクスは、かなり完璧に近い。
私がこの文明を愛するのは、彼らは変化を大変嫌ったから。だから、彼らは2000年にもわたり同じことをし続けた。でも、何も進化していないと思える彫刻も時代を経ることで進化はしているのだが……。ただ、「何も変えない」、つまり古典主義が一番のコンセプトだった。だから、太陽が東から昇り西に沈み、24時間後には同じことを機械的に繰り返す、ということを確かにしなければならなかった。物事は不変だと考えようとしたんだ。
私も同じような考えを持っている。カオスのせいで苦悶しているわけではないけれど、物事は不変だという考えは好き。10歳の頃、10歳でいるのが好きだったし、15歳の時は15歳でいるのが好きだった。18歳、25歳、30歳、40歳と、いくつになってもそれは変わらない。どの時代も良いことが起こったし、私は常に私のままだった。今でも私は私のままでいる。私は古代エジプトのような存在だ。変わらないというコンセプトが好きなのです。自由だというのもありますね。これは私の会社であり、過去20年、「完全な自由」をモットーにやってきた。これからもこのまま変わらずやっていきたいね。
WWD:では最後に。女性の官能性をどう定義する?
CL:官能性とは女性のアティテュード(姿勢)によって生まれるもの。たとえば、声。ガミガミとした声は聞いていて疲れるよね。女性が持つ社会性は、知性と性欲の間に存在するが、そのすべてはアティテュードに含まれている。ベッドでの動き方、道の歩き方、人との話し方、すべてに官能性があるけど、それを持っていない人もいるね。それは自然に身に付いているもの。教育や文化とはまったく関係ありません。これに関しては、自分で自分を研究することも可能だし、他人から学ぶこともできる。
“声”という才能を持っているような感じだろうか。有名な歌手は、声を持って生まれるが、それでも練習をしなければならない。声を持って生まれたか生まれなかったかの違いはありますが、皆が歌手になれるわけではないのです。セクシャリティも同じこと。世界的に、誰もが受け継ぐことができる。でも、親になった時に、「自分の息子は官能的になる」「自分の娘は官能的にならなければならない」と言ったりすることは考えないよね。それは、あなたではなく、その人次第なんだ。他人に官能性を与えることはできない。セクシーに見えるようにサポートすることはできるかもしれないけど。
■クリスチャン・ルブタン 独占インタビュー
�@: "デザインフィロソフィー?特にないけど、常に熱心でハッピーでいることかな"
�A: "履いた時に美しくなければ採用しない。自分のデザインよりも女性への敬意を尊重している"