アッシュ・ぺー・フランスは7月31日、スペイン・ガリシア州を拠点にするブランド「デ・ドゥエ」の日本における独占輸入販売権を取得した。2015-16年秋冬から販売を行う。02年にスタートした「デ・ドゥエ」は、現デザイナーのロサリオ・フロハンの母が1968年に創業したドレスメーカーがはじまり。当時のガリシア州には、オートクチュール産業を支えていた縫製工場が並び、職人が多く住んでいた。そこで、熟練の技術を継承し、海外に発信するため、オートクチュール技術をデイリーに体感できる「デ・ドゥエ」を立ち上げた。現在は、フロハンとグラフィック・デザイナーのアルフレド・オルメドのデザイナー二人とパタンナーやドレスメーカーなどの職人30人を中心に、「デ・ドゥエ」とコンセプチュアルなカジュアルライン「デ・ドゥエラブ」を発表する。「デ・ドゥエラブ」は、オルメドが生地に直接イラストを描くブラウスやシャツが人気だ。
アッシュ・ぺー・フランスと「デ・ドゥエ」の出会いは、合同展示会「ルームス」だ。村松孝尚・社長は、「その時に社員が『(日本で)販売したい』と声をあげ、スペインの工場視察に向かった。そこで、しばらく忘れていた頭の中にささる刺激を受けた」と振り返る。「デザインからパターン、縫製、物流まで全ての工程をガルシアにある自社工場で行っており、職人の中には、親子で20〜40年働いている人もいる。全ての工程のひとつひとつに魂が込められていると感じたし、地域全体で技術を継承し、企業が常にどうあるべきかを考えている。ビジネスは売れることも大事だが、仕事で社会貢献もできるかを模索し具現化する企業はそう多くない。誰もが洋服をたくさん持っている時代の中で、どういう服を世の中に提案していくか常にわれわれの課題であるが、彼らはそれを理解している。これからのファッションが存在するところにすでにいる。歴史ある企業だが、一番新しい企業ではないか」。
先行受注会のため、7月に来日したデザイナー二人は「今でもタカさん(村松社長)からそういった言葉を聞くとぐっとくる」という。「私たちの仕事が私たちの人生そのもの。世界を周り、あらゆるものを見てきたタカさんに心で私たちの商品を受け入れてもらえたことがとてもうれしい。彼は感情や心でモノを見つけ出す第六感を持つ"感情の探検家"だ。またその第六感を生かす力を兼ね備え、『ルームス』などを通じ、われわれにも世界に発信できるチャンスを与えてくれた。今後、日本での取り組みも楽しみだ」と話した。