三越伊勢丹ホールディングスは今秋、三越銀座店を約40億円超を投資し、大規模リモデルを図る。地下1階から地上7階までは10月14日にグランドオープンする予定で、8階に導入する市中免税店は年内にオープンする予定だ。"最旬グローバル百貨店"をコンセプトに、世界と日本のトレンドを掛け合わせ、本物にこだわった"最旬×本物"、日本文化に深く根付いているコト・モノや四季といった"ジャパン×奥行き"、日本独自の"おもてなしの精神"、価値観や人と人を繋げる"価値観×交流"の4つのフィルターを通した商品やサービスを提供する。各階のメインスペースであるエスカレーター前には「グローバルメッセージ」と名付けた情報発信コーナーを設け、世界と日本のトレンドを掛け合わせた最旬のスタイルを提案する。また、各階に企業メッセージ「this is japan.」に沿い、日本のモノづくりの精神や技術力を伝える"ジャパンフィルター"と称するゾーンを設けている。
浅賀誠・三越銀座店長は、「2010年9月に増床リモデルをしてから5年が経ち、銀座の街の変化に対応すべく今回のリニューアルに至った。湾岸エリアの高層マンションに住む人が増えたことや、訪日外国人と百貨店を日常的に利用する外国人の増加が大きな要因だ。新しいカタチの百貨店として、"銀座らしさ""三越銀座店らしさ"をグローバルに発信していく」と意気込む。
また、インバウンドについては、15年度に平均で売り上げの27%を占めていることもあり、外国人顧客に向けたさまざまなサービスを展開する。その第1弾として、9月2日には約140平方メートルの海外顧客サービスセンターをオープンした。免税手続きの待合スペースや海外配送カウンターを新たに設置し、SIMカードの販売など、通信サポートのサービスも開始した。その他外国語対応のアテンダントカウンターや外貨両替機なども設置している。来年2月上旬には海外顧客専用のゲストラウンジも13階に新設予定だ。ラウンジでは着席での免税手続きや限定品・先行品の優先的な提供を行う。さらに、今まで免税カウンターでしか提供していなかった無料Wi-fiも全館でアクセスできるようになった。英語、中国語、韓国語に対応し、売り場まで同行して買い物を手伝ったり、予約して希望の商品をそろえてくれるアテンド専任スタッフを50人強まで増員した。また、外国語が堪能な販売員や電話通訳、通訳タブレットをそろえ、外国語対応の強化にも力を入れる。
また、今回の大規模リモデルの大きな注目点は8階にオープンする、市中空港型免税店だ。三越伊勢丹ホールディングスと日本空港ビルデング、成田国際空港、NAAリテイリング4社の合弁会社、Japan Duty Free Fa-So-La 三越伊勢丹を設立し、免税店Japan Duty Free GINZAをオープンする。コスメ、ウオッチ、ラグジュアリーのカテゴリーの他、日本の素材や材質を使用した伝統工芸品などを取り扱うジャパン企画を展開する。(続く。)