三越伊勢丹グループは12日、丸の内に初の路面メンズセレクトストア「イセタンサローネ メンズ(ISETAN SALONE MEN'S)」をオープンする。「おもあい(茶道用語で思いあいの意味)」「粋」「一期一会」「上質なもてなしを体現」の4つをコンセプトに、ファッションの独自性と編集力という同社の強みを生かした高感度なストアを目指す。
約1000平方メートルの店内は、「和魂洋才」をテーマに大きな吹き抜けと低い天井が交じり合う数寄屋造りの日本家屋に見立てた。門と垣根に囲まれた庭から待合と茶室、客間、縁側、通り庭を抜けて蔵まで、ストーリーを持たせた空間となっている。「ビジネス」「カジュアル」「アクセサリー&サービス」の3つのゾーンに分かれ、オーダースーツやシャツタイに力を入れるなどビジネスゾーンを強化する。紳士靴の7割は別注アイテムでそろえ、2万8000円から50万円と幅広い価格帯を扱う。デザイナーズゾーンは、「トム ブラウン ニューヨーク(THOM BROWNE. NEW YORK)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ビズビム(VISVIM)」など、大人の男性をターゲットにしたブランドをそろえる。アクセサリー&サービスゾーンは、メガネや帽子、フレグランスなどをはじめ「ニコライ・バーグマン(NICOLAI BERGMANN)」のフラワーショップや茶室をイメージした「ジャン=ポール・エヴァン(JEAN-PAUL HEVIN)」のチョコレートバーを併設する。
11日に行われたオープニングセレモニーで、大西洋・三越伊勢丹ホールディングス社長は、「12年前に伊勢丹新宿店『男の新館』をメンズ館にリモデルした時から、5年以内にメンズ館を他にも構えたいという構想を持っていた。丸の内は当初から一番の候補地。準備に時間がかかってしまったが、これからは時代に合わせた新しいものを提案できるかがカギ。お客さまの期待に応えられるように努力したい」と想いを語った。
三越伊勢丹グループは、中小型店業態としてこれまでに羽田空港内の「イセタン羽田ストア」、駅ビルを中心に出店する「イセタン ミラー メイク&コスメティックス」、編集型小型店の「エムアイプラザ」などを出店している。「イセタンサローネ」は、これらに次ぐ4つ目の業態となり、ウイメンズの「イセタンサローネ」は既に東京ミッドタウンにオープンしている。