メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク ベルリンのハイライトは、3日目の17日に行われた「ヒューゴ」のショーだろう。
ミッテ地区にあるオペラの舞台装置を作る工場跡地のだだっ広い空間に、真っ白なランウェイを設営。国内外から約800人のゲストを招待して開催したショーは、規模もレベルもベルリンでは断トツの存在だ。レネー・ゼルウィガーやエドワード・ノートンといった俳優も来場し華を添えた。
真っ白のランウェイの上に設営された蛍光灯が、轟く音楽に合わせ激しく点滅しショーはスタートした。冒頭は、シルバーグレーとホワイトで描くフューチャリスティックなスタイル。コンパクトシルエットのジャケットやコートにスキニーパンツやグレー×ホワイトを直線的に切り替えたミニマルなドレスなど。ニュートラルカラーやメタリックカラーを多用することで、より未来的な印象を強めているが、キモノの襟のディテールを加えているため、ノスタルジックな雰囲気も漂う。
パズルのように布をつなげたドレスや万華鏡プリントのドレスなども、ブラックやブルーを基調としたカラーパレットで描き、「ヒューゴ」らしいクールな印象に。また、手にしたスクエアのクラッチや小ぶりのドクターズバッグなどバッグにも注目したい。黒、あるいは「ヒューゴ」レッドで描いたベーシックでミニマルなバッグは、コレクションにもフィット。
一方メンズは、キレイに仕立てたジャケットやコート、ベーシックなブルゾンに、ラペルやポケット、ショルダーにレザーをアップリケをしたスタイルがメイン。ブラックやチャコール、キャメルといった落ち着いた色にレザーの光沢感がスタイルにリズムを与えた。
マットな素材とシャイニー素材のコントラストを生かしたデザインと、差し色に「ヒューゴ」レッドを用いることを共通項に見せた今シーズンのテーマは“リフレクション”。過去と未来、伝統と革新といった対比を「ヒューゴ」らしくコンテンポラリーでクールに表現した。