「コム デ ギャルソン・オム プリュス」のファーストルックは、砂糖菓子のようなベイビーピンクのブルゾンに、7分丈のリラックスパンツ。実は、ブルゾンは前から見るとドリズラー、しかし裾にさらに生地を重ね、背面がモーニングコートのようにラウンドしたユニークなロングコートで、さらに頭にはうさぎの帽子が。ミッキーマウスを想起させるものも登場した。モデルたちは皆若く、ランウェイの途中で一度立ち止まり、何か思い悩むようなアンニュイな表情。少年の心の葛藤を感じさせるコレクションだ。
川久保怜は、淡いピンクやオレンジ、グレーといった曖昧なカラーと、ワークにもクラシックにも定まらないディテールで、少年の“迷い、悩む心”表現したかったのだろうか。少し背伸びしているようなアラベスク柄のクラシカルなテーラードジャケットや、キュートなノルディック柄のロングコートなど、相反するスタイルが交差した。
中盤ではうって変わり、黒やグレーで同じルックが登場。少年の深い心の闇を表現した。後半に登場した、黒を基調としたフォーマルなセットアップも、裾にフリンジや小さなポンポンを付けて、あどけなさを残した。ドリーミーな独特の世界観は満載だが、ウエアのカラーやスタイルは難易度が高く、受け入れられるかはしんどい印象だ。
【メンズ・コレクション速報一覧はこちら】