前シーズンと同じボザール美術学校の大講堂でコレクションを発表した「ランバン」。ショー開始前にはタキシード姿のギャルソン達がポップコーンやドリンクをサービスして回った。VIPゲストへの招待状には、蝶を描いたシルクスカーフが一緒に届けられた。
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「今回のコレクションは、グローバルなスタイルというよりも、パリならではのローカルな美意識に徹した。ファッションとビジネスは決して敵対するものではなく、どう折り合いをつけるのか?今の時代における美とは?女性たちはどう生きるべきなのか?そんな疑問を浮かべながら、このコレクションに答えを見出した」というアルベール・エルバスの言葉通り、オートクチュールの真髄ともいえる精緻なアトリエワークで描いたコレクションは、時代を超えたパリっぽさを感じさせる。
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新素材の開発よりもフォルムとカッティングに注力した印象の作品は、20世紀の様々なパストディケイドを彷彿させながらも、オフエッジなカッティングや絶妙なボリューム感によって、人の手が制作したぬくもり感を際立たせる。スカラベやフローラルプリントとともに、やはり印象に残るのが蝶のモチーフ。「蝶は自由とハピネスを象徴する今シーズンの重要なアイコン」とアルベールは強調する。デイタイムとイヴニングドレスの境界線を超えて、クチュールメゾンらしい流儀でモダニズムを表現したコレクションは、まさにパリモード復権への思いが詰まった秀作だ
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