アンティークの生地を解体してパッチワーク状に仕立てたニットドレスやレザー&ニットのコンビなど、クチュール感のあるウエアを発表した。デザイナーのヨハン・クーは、1992年に公開された映画「ダメージ」の主人公、アンナ・バートンに惹かれて“破滅的”なディテールを採用したという。魔性の女を演じる主人公は、ある家族を破滅に追い込む。「背中を大胆に開けたドレスで、フォーマルな内面にある欲望を追求した。男を追い込む、女の執念かな」。クロスステッチやケーブルニットを採用し、アシンメトリーに巻きつけるディテールも特徴。デザイナーが得意とする、糸が太い“チャンキー”なニットウエアに加え、微妙にツイストやダメージを与えたニットドレスも並べた。分厚い彫刻的なフォルムは迫力があるが、ニット以外のファブリック提案にも力を入れ、トータルでの完成度が向上。体を締めつけるような禁欲的なルックもある。
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