アンゴラ共和国出身のデザイナーデュオ、シューノーズとテカサラによる「プロジェクトメンタル」が、ルームスリンクでインスタレーションを行なった。リズミカルな音楽と共に大きなシルバーのシャッターが上がると、舞台には仕立て屋に扮した2人が。エプロンを取り入れたポップなスタイリングで次々とモデルを迎え入れた。モデルが中央に立つと、スタイリングの仕上げ(最後のひと工夫)に、新聞やマガジン、余り布を集めたビニール袋を手に持たせて完成させる。なかでも、フランスパンや長ネギをポケットに入れる演出はユニークで印象的だ。
ロンドンはサヴィル・ロウのクラフツマンシップを学んだという彼ら。今季は「REBORN」をテーマに、アフリカの伝統的なプリントとヨーロッパの生地、日本のカルチャーを融合させたコレクションを提案した。ジャケットやスーツにオリジナルのトライバルプリントや、ビビットカラー、サルエルパンツなどを取り入れて個性をプラス。スーツの襟やボタンを同じカラーで揃えたり、赤いパイピングでメリハリをつけたりと、とにかくバリエーション豊富な色づかいが特徴で、各アイテムの裏地の色にもこだわりが見えた。
来日は3回目という彼らは、「これからもっと日本の文化に触れ合っていきたい」と話し、ファッション感度の高い日本でアプローチすることに意欲を見せている。