ジュネーブのSIHH(国際高級展)で発表された新作ウォッチ。その中からハッキリした2014年の高級ウォッチのトレンドは"小型化&薄型化"だ。
この2つのトレンドを象徴するのが、薄型ウォッチのスペシャリストである「ピアジェ」が発表した新作メンズモデル「ピアジェ アルティプラノ 38mm 900P」。ケースの直径は従来のスタンダードサイズ、41mm前後よりひと回り小さな38mm。この38?39mmあたりが、ヨーロッパでもメンズのドレスウォッチ、スタンダードウォッチの標準サイズになることは間違いないだろう。しかもこのモデルは、歯車やバネやゼンマイを直接ケースバックに取り付ける、つまりケースバックにムーブメントの地板としての機能を持たせ、手巻きモデルとして世界最薄となる3.65mmを達成している。
そして「ピアジェ」に限らず各メゾンの新作は、この2つのトレンドのどちらかを採り入れている、と言っても過言ではない。薄型ウォッチの分野でピアジェと共にリーダー的存在の「ジャガー・ルクルト」は、何と複雑時計でも常識を破る薄型モデル「マスター・ウルトラスリム・ミニッツリピーター・フライングトゥールビヨン」を登場させた。
時を音で知らせるミニッツリピーターと、重力による精度の低下を最小限にするトゥールビヨン。薄型化が最も難しいとされるこの2つの機構を搭載しながら、ケースの厚さは10mmを大きく切る7.9mm。同社の薄型スタンダードモデルと変わらない、驚異的な薄さだ。
レディスモデルでも、ケースサイズの小型化は進んでいる。「ラルフ ローレン」の「スティラップ コレクション プティ・リンクモデル」のように、人気モデルに新たに直径30mmより小さなサイズを設定するブランドも増えてきた。これは、日本の女性にとってはうれしいニュースだ。