レイヤードルックは今シーズンのトレンドだが、「ハイダーアッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」が取り入れると凄みが違う。十二単(じゅうにひとえ)を着るように、色や素材を丁寧に選んで重ねることで一枚では得られないニュアンスが生まれるからだ。テーラードの上にテーラードを、さらにその上にファー付きのワークウエアを重ねたり、裾にペプラムを飾ったジャケットの上に同じくペプラムを飾ったレザーのブルゾンを重ねてワークパンツと合わせたり。ニットの袖だけをレザーで切り替えるなど一着の服の中にも素材や色、質感がハイブリッドされている。
今シーズン見ごたえがあるのはもうひとつ、カジュアルな素材を使ったシンプルでエレガントな服。グレーのスウェットのオールインワンと言葉にすれば、非常にカジュアルだが、アッカーマンの手にかかればまるでドレス。素材が上質なのはもちろんだが、計算されたカッティングのため、シンプルなシルエットでもエレガントに見える。さわり心地が良さそうなフランネル使いも同様だ。着心地だけではなく、着易さという意味でも以前と比べると進化している。
ざっくりとしたツイードとシルクで切り替えたドレスも同様。腰の辺りに入れるシャープなカッティングひとつでシンプルがエレガントに変わる。
【ハイダー アッカーマン 2014-15年秋冬コレクション 全ルック】