グローバル情報誌「モノクル(MONOCLE)」が行った2015年のソフトパワー・ランキングで日本は昨年と同じ4位にランクインした。ソフトパワーとは、軍事力や経済力などの他国を強制し得るハード・パワーと対置する概念で、その国が持つ文化・政治的価値観や政策の魅力を指す。「モノクル」はさまざまな統計やデータに基づき25位までランキング。その国の食文化や建築、航空会社の質なども評価基準で、今年は、国外にある大使館数、国際的支援費用、国内の留学生数やシンクタンクの数、金メダルの数なども紹介されている。また、同誌の選ぶ"ソフトパワー・スーパースター(以下、スーパースター)"も国ごとに選ばれ、改善方法なども提案されている。
今年1位に輝いたのは昨年2位のドイツで、ヨーロッパの移民問題に対する柔軟な姿勢やフォルクスワーゲンの排気ガス不正問題へ正面から立ち向かう姿勢が評価された。スーパースターはアンゲラ・メルケル首相で、彼女の知性と思慮深さ、情け深さがドイツの価値を象徴していると紹介されている。2位のアメリカは昨年1位からランクダウン。スーパースターはタレントと美しさ、大胆さを持ちながらもリラックスしたムードを漂わせるビヨンセが選ばれた。3位は昨年同様イギリスで、スーパースターは、紳士的なゲイアイコンの俳優イアン・マッケラン。モダンなイギリスを象徴する存在だと記されている。日本は昨年同様4位にランクインした。アニメや"うまみ"といった文化発信や、ロンドンやロサンゼルスなどに日本のデザインやテクノロジー、職人技、食文化を紹介する施設を建設する試みが認められた。スーパーヒーローは作家の村上春樹。彼の本は50ヵ国以上で訳されており、ポップカルチャーの要素がある作風は世界的にアピールするレベルで、ノーベル賞の可能性も高いと述べられている。5位は前年同様フランスで、スーパースターは国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事。世界で最も権力を持っている女性の一人であり、仏官僚への道も開かれているとある。
詳しくは11月19日発売「モノクル」で紹介されている。