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まだ間に合う!「村上隆の五百羅漢図展」が森美術館で開催中 ゆかりの目黒・五百羅漢寺も必見

 東京・六本木の森美術館は3月6日まで「村上隆の五百羅漢図展」を開催中だ。

 本展最大の見所であり全長100メートルに及ぶ作品"五百羅漢図"は、東日本大震災後にいち早く支援の手を差し延べたカタールへの感謝を込めて2012年に発表されたもので、日本初公開の作品だ。この制作には200人以上の美大生が関わっており、村上隆が学生を叱咤激励する様子が読み取れる制作指示書の展示も行っている。また、今なお制作に取組んでいる彫刻作品の"宇宙の産声"や"欲望の炎--金"は高さが5メートル近くあり、圧巻だ。その他にも日本初公開の作品や、代表的なキャラクター「DOB君」の作品など見所が盛りだくさんだ。

 また、12月にはメディア向けの五百羅漢体験ツアーも実施し、本展の元になった羅漢像が計305体も収蔵されている東京・目黒区の天恩山五百羅漢寺で、住職に五百羅漢の歴史を聞いた。 五百羅漢像は、釈迦の教えを広めた500人の弟子である聖人たちの仏像で、煩悩を滅し人々を救済したとされている。江戸時代に松雲元慶と言う禅師によって制作されたこの羅漢像は、その全てが一つ一つ異なった表情、ポーズをしていおり、「自分にそっくりな人がいる、亡き大切な人に会える」と言われ、江戸時代にブームになったものだ。当時の日本人の平均寿命は30?40歳程度であったが、松雲禅師は44歳から羅漢像を彫り始め、彫った仏像は計700体以上とされる。関東大震災などの災害や戦争で、東京の文化財の多くは消失してしまったが、ヒノキで作られた木製の仏像が今も多く残存していることから、この羅漢像がどれほど人々に大切にされてきたかがうかがえる。

 さらに、この天恩山五百羅漢寺には「らかん亭」という日本料理店があり、精進料理などを提供している。住職によると近年では、肉や魚介類を使用しない精進料理はイスラム教のハラールとしても注目されているという。入場者が20万人を超えた「村上隆の五百羅漢図展」をより深く知るためにも、天恩山五百羅漢寺を訪れて、その歴史を体感してみることをおすすめしたい。

■「村上隆の五百羅漢図展」
場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
開館時間:10:00?22:00(火曜日10:00?17:00)
※会期中無休、入場は閉館時間の30分前まで

■天恩山五百羅漢寺
場所:東京都目黒区下目黒3丁目20番11号

■らかん亭
営業時間:11:00?17:00(17時以降は予約が必要)
定休日:月曜日

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