スリーミニッツが、4月28日にローンチした「ジーニー(GINI)」の本格ローンチに向け、ブランドを拡大している。現在数十ブランドの取り扱いを100以上に広げる計画で、「アメリカンラグシー」などの有力セレクトショップからコスメ・インテリアなどを扱う「コロニー2139」といったライフスタイルブランドまでを幅広く扱う。
「ジーニー」最大の特徴は、スマホ特化型の"動画コマースアプリ"ということだ。ローンチ2カ月でダウンロード数はすでに20万を超え、顧客の平均単価も約1万5000円と比較的高い。売り切れアイテムが続出するなど、ユーザーの反応も好調という。「ジーニー」の動画は1本30秒程度のものが多いが、顧客の平均滞在時間は約20分とウェブの業界では驚異的な長さになる。「少なくても1 人10 本以上の動画を見ている。コーディネートを考える時に動画を参考にするユーザーも多く、単なるコマースアプリではないメディアとしての側面もある。動画が定着してきた成果だ」と宮地洋州・社長は語る。実際に「ジーニー」の動画経由の商品購入率は静止画と比べて約3倍という。
「ジーニー」に在庫を預けるだけで出店ができるという簡便さも魅力だ。動画撮影から公開までのスピードが早いことも特徴だろう。自社にスタジオを持つスリーミニッツは、サンプル到着から最短3時間でEC掲載を行うことができる。自社倉庫と独自の物流を使うことで、購入後の配送もスムーズだ。参加ブランド「ダニーアンドアン」の永田杏奈クリエイティブ・ディレクターは、「以前から商品を動画で見せることに興味はあったが、自社で全てをまかなうのにはコストがかかる上、クオリティーの担保が難しいと考えていた。『ジーニー』に参加したいと思ったのは、在庫を預けるだけで全ての実作業をやってくれるだけでなく、さまざまなプロモーション施策に長けているため。単にECで販売するだけではなく、動画を使った販促を自ら仕掛けてくれることに大きな期待を寄せた」と語る。
また、動画最大の魅力はやはり写真では上手く表現できなかった洋服の動きや素材感が見えること。動画で紹介したアイテムはコーディネートごと売れているケースが多いといい、すでに効果は出ているという。新規参加を決めたアメリカンラグシーの安部真理子・商品部/eコマースMDチーフは、「最大の魅力は商品の質感・ディテールが分かりやすいこと。普段のECでは1商品で何カットも撮影するが、動画の情報量はそれをはるかに上回る。魅力が伝わりやすいからこそ、コンバージョンが上がるのではないか」と魅力を語る。