展示会オーダーシステム「ターミナル・オーダー」が決済やショールームなど機能拡充する。ブランドとバイヤーをつなぐ卸のためのBtoBマーケットプレイスとして、双方の業務効率化と売り上げ拡大を支援する。新規参加ブランドも「クラネ」や「リーファ」「N.ハリウッド」「ローズバッド」「セオリー」「ヤヌーク」などと幅広く、バイヤーとブランドの新たな出合いを生む新たな"マーケットプレイス"として本格始動する計画だ。
マーケットプレイス化とは、同サービスを中心にブランドとバイヤーが出合える環境を提供することだ。現時点では承認制のため、ブランドから開示を許可されていないバイヤーは商品の閲覧やオーダーはできないが、数年以内にブランド側で任意にオープン化をすることのできる機能を追加し、バイヤー・ブランド双方が誰でも自由に出合える場を作りたい考えだ。伊奈亮輔ターミナル執行役員最高執行責任者(COO)は、「ローンチ後の2年間はブランドの利便性を考慮した環境作りに重点を置き、細かなチューニングを行ってきた。今後はセレクトなどのバイヤーの意見もどんどん取り入れていく方針。ようやく双方が使いやすい、出合いやすい環境が整うはずだ」と話す。
もっともオープン化されたマーケットプレイスに適応しやすい商品は、シーズン性の少ない定番アイテムだろう。展示会のシーズンにかかわらず常に在庫を用意でき、発注があればすぐに納品できる。「シーズンアイテムでは期初に一括でしか生産ができないといったブランドの背景もあり、マーケットプレイスを活用して売り上げを上げるためには、定番品を持つことも新たな手段として提案したい」。
「ターミナル・オーダー」は2014年にローンチされ、アナログな展示会業務のデジタル化によるブランドの業務改善やバイヤー向けにブランドを紹介するオンラインPR支援などを提供してきた。サービス提供1年半で、170ブランド・約5000人のバイヤーが同社サービスを利用しており、今年6月時点で流通総額が100億円を突破した。年内には導入ブランド数350、利用バイヤー数1万人(うち海外バイヤー1000人)を目指す。