主要百貨店の7月度の売上高は、クリアランスセールの前倒しが奏功し、久々に前年実績を上回る店舗が多かった。前年同月に比べて土日が2日多いことも底上げ要因になった。
昨年7月8日に開始していたクリアランスセールを1日に前倒しした高島屋は、前年同月比100.1%とわずかであるが、4カ月ぶりに前年実績を上回った。婦人服や宝飾品は前年を下回ったものの、紳士服や婦人雑貨は上回った。同じく1週間前倒しの大丸松坂屋百貨店は、大丸心斎橋店本館の建て替え工事の影響で全体では同96.9%だったが、大丸東京店、大丸梅田店、大丸京都店、松坂屋上野店など15店舗中8店舗でプラスを記録した。「天候にも恵まれ、ブラウスやカットソーなどのセール品が活発に動いた」(同社広報)という。やはり1週間前倒しの阪急阪神百貨店は、地方店も軒並み盛り返し、同102.3%だった。「阪急うめだ本店のセール売上高は前年に比べて105%。セールを来店動機にして足を運ぶお客さまが増えた」(同社広報)。昨年と同じ1日にクリアランスセールを開始したそごう・西武は100.2%と微増だった。
一方、例年通り7月中旬の13日からセールを開始した三越伊勢丹は、同98.7%と下回った。伊勢丹新宿本店が同100.2%、三越日本橋本店が101.5%と基幹店が久々に上向いたものの、首都圏の地方店が低調なままだった。「夏物アイテムを中心に、紳士・婦人衣料が動き、これまで好調だった婦人雑貨と合わせ、売り上げは前年並みに復調」(同社)しているという。
林芳樹