ロンドン発のスケートブランド、「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS 以下、パレス)」の軌跡をまとめた写真集「ザ パレス ブック(The Palace Book)」が7月30日、「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)」で先行発売される。「パレス」のこれまでの物語を164ページにわたり、120枚の写真やオリジナルグラフィックと共につづっている。価格は7000円で、アイロン転写シートが付録として付いている。日本ではドーバー ストリート マーケット ギンザと代官山蔦屋書店で販売する。
「パレス」は2009年にレヴ・タンジュ(Lev Tanju)がパレス・ウェイウォード少年合唱団(Palace Wayward Boys Choir 以下、PWBC)の派生として創設したスケートブランドだ。「ザ パレス ブック」の写真は、アラスデア・マクレラン(Alasdair McLellan)が撮影した。彼は数々のファッション誌のエディトリアルの他、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ミュウミュウ(MIU MIU)」などの広告ビジュアルを手掛け、イギリスのユースカルチャーの写真を撮り続けてきたフォトグラファーだ。7年間「パレス」とPWBCを撮影し続け、同写真集の中でもロンドンのサウス・バンクからセント・ポール周辺に集まる男子スケーターたちの姿や、「パレス」が世に広まる前から、若者がソーホーのショップの前に行列を作る姿を捉えた。ロンドンのストリート、ファッション、スケートシーンを象徴する一冊になっている。
マクレランは「パレス」とPWBCについて「僕はスケートと聞くと、いつもアメリカを思い浮かべていた。そんな時にレヴとPWBCに出会い、スケートしに行くとき、サッカー観戦するような格好をしていた彼らはどこかとてもブリティッシュに映った。まるでディケンズの小説にも登場しそうな風貌で、フェイギンズ・ギャング(Fagin's gang、『オリバー・ツイスト』に登場する少年スリ団)の一員みたいだった」と語る。一方、レヴは「ザ パレス ブック」について「アラスデアでは常日頃から僕らクルー全員、そしてスケート以外のことに興味を抱いてくれている。皆が成長し続ける、素晴らしい思い出の数々を見ることができる家族アルバムのような一冊なんだ」とコメント。
出版したのはロンドンの出版社のイデア(IDEA)で、ウィリー・ヴァンダピエール(Willy Vanderperre)の「10ワークス フォー ラフ・シモンズ(10 Works for Raf Simons)」やデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)率いる「ヴェトモン(VETEMENTS)」の写真集「ヴェトモン(Vetements)」、「グッチ(GUCCI)」のために制作したアリ・マルコポロス(Ari Marcopoulos)の「エピファニー(Epiphany)」、ゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)の「ザ デイ オブ マイ デス(The Day Of My Death)」に次ぐ、5冊目だ。過去の作品は全て完売するほど人気を集めた。なお、8月5日から代官山蔦屋書店でイデアのスペシャルフェアを開催し、今作の他、ウエアやアートブックなどを販売する。
北坂映梨