高島屋は45歳〜54歳の女性をメーンターゲットした新たな自主編集売り場「シーズンスタイルラボ」をオープンした。"いいもの"を知っていて、美容やファッションに意識の高い世代に向けて、上質で手ごろ感のあるアイテムをそろえた、単品パーツ・アイテム編集売り場を打ち出す。9月1日の新宿店と大阪店を皮切りに、9月中に京都店、横浜店、日本橋店、柏店の計6店舗をオープンする。
ディレクターには、スタイリストの大草直子を起用。商品の開発・セレクトだけでなく、床材やマットの色、ランプにいたるまでインテリアも監修し、大草の自宅をイメージして再現した。商品構成はオリジナルブランドの「シーズンスタイルラボ」が4割、買いつけが3割、協業型のオリジナル商品が4割。価格帯はトップスやボトムスで2万円前後が中心。カットソーやニット、ボトムスなどベーシックな単品アイテムがメインの商品構成になっている。セレクト商品は「インコテックス」「アイロン」「アッパーハイツ」といったアパレルのほか、「エムアイエムシー」「センス・オブ・ヒューモア」などビューティーアイテムも取りそろえる。すべて、大草が実際に愛用しているものだという。オリジナルブランド「シーズンスタイルラボ」商品の開発にあたっては、エイガールズ、瀧定名古屋、クロコ企画、モリリン、クロスプラスといったテキスタイルメーカーや繊維商社、アパレルと適材適所で取り組むことで品質と価格のバランスを追求した。
嶋廻由希子=高島屋MD本部レディスファッションビジョン・セントラルバイヤー担当部長は今回の売り場開設について「現在40〜50代のいわゆるHanako世代と呼ばれる女性たちはおしゃれに興味はあるけれど、百貨店にほしいものがないという女性が多い。ハコ型のショップが増える中、単品買いをしたいという女性のニーズにも応えきれていなかった。女性のお客様の要望に沿った売り場を作りたいと考えた」とコメント。大草を起用した理由については「今の女性の気持ちに寄り添える人たちというところで、スタイリストの方々がSNSでも支持を得ている。中でも大草さんはシーズンごとにワードローブを一新するのではなく、自分が今持っているベーシックなアイテムに新しいアイテムを取り入れるという考え方で、多くの女性の支持を得ている。今回の売り場もそのような考え方で作りたいと思い、大草さんに熱烈アピールをした」と話した。
大草は「高島屋さんから、自分と同世代の45歳の女性たちに向けた売り場を作りたいという依頼をいただいたのが始まり。女性は38歳頃から少しずつ体形や気持ちに変化が起こり始める。今までの服が合わなくなって、着る服がないという悩みを抱える女性も多い。私自身もそれを経験したので、そういう女性に向けた売り場を作りたかった。この売り場は、ワードローブの基本を作るようなベーシックな製品を揃えているのが特徴。服を買って余った予算で、デパ地下でワインを買って帰る、というような百貨店ならではの買い物の仕方を楽しんでほしい」と話した。
石山佳奈