J.フロント リテイリングの2016年3~8月期は、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比12.5%減の190億円だった。中核会社である大丸松坂屋百貨店の大丸心斎橋店本館が今年1月から建て替え工事に入った影響に加え、衣料品の低迷、インバウンド(訪日外国人客)の買い控えが減収要因となり、売上高は同5.9%減の5392億円だった。当初の売上高計画に対しても約300億円届かなかった。
大丸松坂屋百貨店ではインバウンドの反動が大きかった。円高と中国に持ち込む際の課税アップが打撃になり、免税売上高は同27.4%減の131億円で終わった。苦戦が続く衣料品について、山本良一・社長は「婦人服を中心に大幅に売り場面積を圧縮する」と説明する。14年に26%の面積シェアだった婦人服は、現在23%に減らした。「まだ検証中」としながらも「中長期的には17%程度になることも考えられる。それくらいの見立てで抜本的に見直す」と、不動産賃借の拡大も選択肢になるとの見解を示した。
下期(9~2月期)も厳しい状況が続くと見て、17年2月期の業績予想を下方修正した。修正後は売上高1兆1170億円(当初予想1兆1750億円)、営業利益450億円(同500億円)。増収増益の予想から一転、減収減益を見込み、立て直しを急ぐ。