上野恩賜公園エリアでアートイベント「TOKYO数寄フェス」を10月21〜23日、開催する。期間中はアート作品の展示やワークショップの開催に加えて、一部施設で夜間開館を実施する。主催は上野「文化の杜」新構想実行委員会とアーツカウンシル東京。
博物館や美術館、芸術大学などの歴史的資源と文化資源が集まる上野恩賜公園エリアに関わりがある機関・団体が相互協力し、“上野「文化の杜」”という連携組織を作り、日本文化と芸術を国内外へ発信するプロジェクトを行っている。同イベントはその一環で、近代日本美術の発展に貢献した岡倉天心が『茶の本』で語った“数寄”という言葉を軸に、アート作品やワークショップなどを開催する。
イベントでは、現代美術家の日比野克彦と同じく芸術家の島田清夏による「不忍池ファイヤーアート和火・茶火」やチームラボによる、チームラボによる光のボールアート「浮遊する、呼応する球体」、シャボン玉アートなどを行なう。
主催する上野「文化の杜」新構想実行委員会は、パリやロンドンなどの世界最高水準の海外主要都市に匹敵する独自性を持った都市「芸術文化発信拠点UENO」のシンボル化を目指すために結成された団体。
「TOKYO数寄フェス」のディレクターを務める藤崎圭一郎・東京藝術大学デザイン科教授は、「上野に象徴的に顕れるアジア的なダイバーシティを日本の文化的価値と捉え直し、世界に発信していけるのではないか。そのキーワードとして考えたのが『数寄』という言葉。『数寄』の意味は、一言では答えられないが、曖昧で多様な意味にこそ、日本が育んできた文化的価値が詰め込まれている。このプログラムを機に『数寄』という言葉が『おもてなし』『わびさび』くらいメジャーな言葉になってほしい」とコメントした。