あらゆるものがインターネットと接続するIoT(モノのインターネット化)は、製造業をどう変えるのか。今日25日と明日26日の2日間に渡って開催されている日本オラクル主催のカンファレンス「オラクル クラウド デイズ」で、アクセンチュアの丹羽雅彦デジタルコンサルティング本部モビリティサービスグループ統括マネジング・ディレクターは、「究極は需要がトリガーになってサプライチェーンが最適化する社会。例を上げれば、あらゆるモノが予測可能になるため、信号が要らなくなり、目が見えない人も自由に道を走り回れるようになる」と語った。日本オラクルの杉達也フュージョンミドルウエア事業本部ビジネス推進部担当ディレクターとともに語った内容を紹介する。
丹羽マネジング・ディレクターは、スマートファクトリーの実現のためのデータの可視化と分析、そして自動化という3つのステップを紹介。スマートファクトリーの実現により、1.大量生産から消費地の近くでの地産地消型、2.経営と生産の統合、3.SCMの最適化へ移行すると指摘。「1日に数百万個のアイテムを作るのではなく、倉庫の中にわずか1日2000個を生産する工場を世界中に作る、というような未来が始まろうとしている。そうなると工場のロボット化やそれを操るAI(人工知能)がポイントになる」と語った。地産地消型の事例として、部品や車体の設計はオープンソースで世界中からアイデアを募り、部品から車体まですべてを3Dプリンタで出力する米国の自動車ベンチャーを紹介。デザインや設計までが高度にカスタマイズできる、消費地に近い日本でのスマートファクトリーの実現を示唆した。
日本オラクルの杉ビジネス推進部担当ディレクターは、「オラクルもすでにIoTのクラウドサービスをすでに展開している。一個の工場の最適化から、全体視点で複数、さらには取引先も含めた全体最適化を図る動きが出てきている」と指摘した。