2017年春夏コレクションが終わり、デザイナーは一息ついたところかもしれないが、トレンド予報士のリー・エデルコート(Li Edelkoort)はすでに18年春シーズンの流行を予測している。パーソンズ・スクールで「洋服のフォームの変遷期」と題した講義では、袖や構築的なデザイン、川久保玲をキーワードに挙げた。
エデルコートが一番強調したのは袖。「袖は大きな役割を果たすだろう。ベーシックなシャツを売るのは論外なこと」。また、冬素材も流行るという。「業界でシーズンの概念が崩壊する中、消費者は夏にウールを、冬にコットンやシフォンを買うようになる」と解説。ジェンダーレスなファッションの勢いは引き続きと話す。「今の時代、人々はジェンダーを気にしないようになっている。ジェンダーにとらわれず、その人の本質を見るようになる」。
増え続ける構築的なデザインについてはオーバーサイズになりすぎない、新しいシルエットが台頭するという。「ウエストやヒップ、バストを強調するデザインが増えるだろう」。メトロポリタン美術館・コスチュームインスティチュートの来春の展示が川久保玲展であることも影響するという。「川久保の今までの作品を展示する同展は、まるでファッション界に爆弾を落とすようなもの。それを見た人は、彼女の功績やファッション界への影響、彼女が手掛けたシルエットの再構築を急に思い出すだろう。これらのトレンドを後押しするような重要な展示になるかもしれない」。
訳・北坂映梨