中国のEC最大手アリババグループは11日、中国の記念日「独身の日(11月11日)」にちなんだ、毎年恒例の24時間限定タイムセールをスタートした。昨年はスタートして8分で決済総額が10億ドル(約1040億円)を超えたが、今年はその記録を3分縮め、ついに5分で10億ドルという大記録をたたき出した。この記録は、C to CのECサイトTaobao.comとB to CのTmall.comなどを含んだ、グループECの総売り上げだ。
決済総額はその後も伸び続け、30分で1億5000万人が買い物を楽しみ、その額は40億ドル(約4160億円)を突破。2時間の決済総額は72億ドル(約7488億円)に到達した。1億5000万のうち、スマートフォン決済は全体の9割に及んだ。売り上げ上位ブランドは、「ナイキ」「アディダス」「ザラ」「ギャップ」「ユニクロ」など。昨年同日の売上総額は、前年同日比60%増の143億ドル(約1兆4870億円)に達している。
アリババは過去数年、「独身の日」を国際的なアニバーサリーにしようと努力を重ねている。1が4つ並ぶ11月11日は、いつの間にか独身の男女がシングルであることを祝い、自分のためにご褒美を買う記念日として定着。アリババは特に中国国外に向けて独身の日と、それを祝う買い物イベントのPRに努め、今年同社のサイトには195の国から1万3000のブランドが大集結した。
今年は、お祭りを盛り上げるために大規模なイベントを開催。10日の木曜日には「家族の事情」でケイティ・ペリーがドタキャンしたものの、デヴィッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻やコビー・ブライアント、スカーレット・ヨハンソンらが参加した前夜祭を開いた。ジャック・マー創業者兼会長が参加したイベントは中国全土にTV中継されたほか、同社のネットTV、Youku.comで全世界に配信された。
アリババのジョゼフ・ツァイ副会長は、「これが、買い物がエンターテインメントにまで成長した中国だ。若者は友人と買い物を、そして、買ったものをともに楽しむんだ」と話した。中国からの輸入品に45%の関税を課すと宣言しているドナルド・トランプ次期大統領の話になると、「アメリカに望むのは、世界はつながっていると認識すること。皆にとって、中米の友好は一大事で、(仮にアメリカが関税を課すようなことがあれば)落胆する人が大勢いるだろう」と話す。
(原文:ララ・ファラー)