ジュエリー企業のサダマツは、中長期的な事業の選択と集中のもと、来春に銀座中央通り8丁目に国内最大級となる「フェスタリア ビジュソフィアGINZA」旗艦店をオープンする(東京都中央区銀座8-8-6)。同社の基幹ブランド「フェスタリア ビジュソフィア」は、ブランド誕生から今年で10周年を迎える。1階はファッションジュエリー、2階はブライダルサロンで構成され、総面積は192.60平方メートル。貞松隆弥サダマツ社長は、「出店に際し、ジュエリーの旗艦店が多く並ぶ銀座中央通りにこだわった。来年4月20日には、中央通り6丁目に商業施設のギンザシックスもオープンするため、相乗効果も期待している。ブライダルをさらに強化し、ブライダルジュエリーを入口として、ファッションジュエリーを購入する流れを作っていきたい」と話す。
一方、眼鏡事業は、熊本市に拠点を置き、メガネ、コンタクト、補聴器などを販売するヨネザワに事業譲渡する。譲渡価格および決定方法は11月末日に当事者間で協議の上で決定する。サダマツは長崎県で1920年に創業した貞松時計店が前身。1993年に宝飾事業に参入し、主力商品の“ウィッシュ アポン ア スター (WISH UPON A STAR)”が右肩上がりに売り上げを伸ばし、主力事業に成長した一方で、祖業の眼鏡事業は16年8月期において全体売上高の約1.4%までにシェアが縮小していた。主力の宝飾事業に経営資源を集中するため、今回の事業譲渡に至った。
今後、主力商品“ウィッシュ アポン ア スター”をさらに拡大していくため、さまざまな施策を実施していく。その一つが“ウィッシュ アポン ア スター”のモニュメントの東京大神宮設置だ。千代田区にある東京大神宮は、「東京のお伊勢さま」と称され、良縁の神様として有名であり、恋愛成就にご利益がるパワースポットとして多くの女性が訪れている。「大々的に宣伝するつもりはなく、口コミで広がり話題になれば。星に願いをかけるのは世界共通であり、女性は占いが好き。今後、星にまつわるワークショップを東京大神宮でできれば。精神価値でナンバーワン企業を目指す」と貞松社長。また、2017年2月公開予定の映画「君と100回目の恋」とコラボレーションしたジュエリーも制作。主人公の女の子が“ウィッシュ アポン ア スター”のジュエリーを身に着けることで、若い世代に向けてのさらなる認知度アップを狙う。また、自社ECを強化するべく、10月29日にECサイトでの販売を開始。映画とのコラボジュエリーやクリスマス限定商品などをラインアップする。また、クリスマス時期には、TVコマーシャル、トレインビジョン、トラックでのプロモーションに注力する。
現在の店舗数は、国内百貨店が34店舗、表参道ヒルズ、マルイ、パルコ、グランデュオなどのファッションビルが12店舗、SCが42店舗、海外が台湾6店舗の94店舗体制だ。16年8月期の連結売上高は、前期比1.2%増の92億円だった。「百貨店での増床、SCのスクラップアンドビルド、EC事業拡大、卸の強化で、2020年には100店舗体制で店舗売り上げ120億円、売上高150億円、東証一部上場を目指す」と意気込む。10月28日にリニューアルオープンしたフェスタリア ビジュソフィア西武池袋本店は、約2倍に拡大し、20平方メートルに増床した。