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好調「ブルネロ クチネリ」はECサイトも“人間主義的”に刷新

 「ブルネロ クチネリ」は自社ECのリニューアルに着手し、ブランドが目指す「人間主義的資本主義」の表現を図る。同社は「利益は出すが、危害を与えないで生み出す仕組み」を「人間主義的資本主義」と定義し、地球環境にやさしく、生産者の尊厳を守ることを理念に掲げている。

 来年1月に完成予定の新ECサイトについてブルネロ・クチネリ創業者兼社長は、「イタリアやブランドの歴史、特に拠点を置くウンブリア州ソロメオ村についてのエディトリアル・コンテンツを拡充しながら、今までにないコミュニケーションにトライしていきたい」と話す。具体的には、手書きのメッセージを添えた梱包、オーダーした商品が作られる様子を撮影した写真の送付、生産するオリーブオイルのプレゼントなどを検討。これらを「とてもアルチザンな形で提供していきたい」と話す。他社サイトでは「世界の中で最も美しいオンラインストアの代表体」として引き続き、リシュモン傘下のネッタポルテとミスター・ポーターと提携。ただ、2つのECにおける売り上げは全体の0.7%と限定的だ。

 同時に発表した2016年度1~9月期決算は、売上高が前年同期比9.7%増の3億4840万ユーロ(約401億8200万円)。イタリアでの売り上げは同7.3%増で全体の約18.4%、イタリアを除くヨーロッパでの売上高は同7.1%増で全体の約30.2%、北アメリカでの売り上げは同7.2%増で全体の35.2%、中国での売り上げは同18.4%増で全体の6.1%、そのほかの国での売り上げは同29.1%増で全体の10.1%と全地域で順調だった。「その他の国」の1つである日本は、昨年オープンした銀座店、百貨店における増床、中国人観光客によるインバウンド消費などで躍進した。

 同社は常に年間売上高の4~5%を投資に費やしていると話すが、17~19年度にはさらに8000万ユーロ(約92億8000万円)を費やす予定。特に生産拠点の増強については引き続き注力する予定で、過去3年も総額1億6000万ユーロ(約185億6000万円)を投資している。

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