繊維総合見本市「JFWジャパン・クリエーション2017 AUTUMN/WINTER」と「プレミアム・テキスタイル・ジャパン 2017 AUTUMN/WINTER」が、29日に東京国際フォーラムで開幕した。両者合計で389社・団体が2017-18年秋冬向けの素材を提案。ここでは注目素材を紹介する。
久山染工はフロッキープリントや、ベルベットにニードルパンチとプリント加工をしたものなど凹凸感のある生地を多く打ち出す。吉田力・久山染工営業部長は「ベルベットなどの起毛素材がトレンド。ニードルパンチや得意のフロッキープリントで表面にデザインを加えて提案している」と話す。ファー専門の中野メリヤスは、フェイクファー生地ブランド「エクステリアル」の展開に力を入れる。「エシカルファッションへの関心の高まりで、エコファーが定番化した。トレンドに左右されず、ここ10年間業績は安定している。今年は特にファーの引き合いが強い」(中野真行・中野メリヤス専務)。特に長短の毛を同時に編み込んだシープ調の生地が人気だ。「ランバン」や「サカイ」にも生地を提供するミワは、ジャカード織とプリント加工の両方を社内で手掛ける。その強みを生かし、ジャカード織の上からプリントを重ねた独自の生地を開発している。柄のトレンドは「幾何学模様から徐々に花柄、千鳥格子、チェックなどへと移行しつつある」(林一久ミワ常務)という。また、ダークカラーと光沢素材や、合繊繊維と天然繊維など、対照的な組み合わせの生地も展開する。オーガニックコットンのタオルで知られる渡辺パイルは、新たに3500万円を投じ、新しい織機を導入。渡邊利雄・渡辺パイル織物社長は「タオル用ではなくアパレル用。新たなバリエーションのパイル生地が作れるため、ジャケット向けなどに提案する」と話した。両見本市は11月30日まで。